徳川幕府が派遣した約80名のこの「サムライ」遣米使節団は、3月29日サンフランシスコの到着後、パナマ等を経由しつつ約1月半をかけて5月14日ワシントンに入り日米修好通商条約の批准書の交換を行いました。使節団はその後ボルチモア、フィラデルフィアを経て6月16日にニューヨークに到着し、約2週間の滞在の間、市民からの熱烈な歓迎を受けました。(詳しくは「歴史」のリンクをご覧ください。)
まさにここニューヨークで「サムライ」使節団による日米交流はクライマックスを迎え、使節団は大々的に報道されました。マンハッタンでは約50万人の市民がブロードウェーに詰め掛け、日本刀を携えた「サムライ」のパレードを見物しましたし、市民ダンス・パーティや地元名士主催の歓迎社交パーティの開催、音楽・演劇など、当時のニューヨークは街全体が日本一色に包まれたと伝えられています。その中でニューヨーク市民は日本に親しみを感じるようになりました。特に、使節団の中で最年少(17歳)で通訳の見習いであった立石斧次郎(たていしおのじろう)は、人なつっこい人柄で米国人から「トミー」というニックネームで愛されました。使節団がアメリカを離れた後も「トミー」ブームは続き、ついに彼を題材にした「トミー・ポルカ」という曲まで誕生し、大ヒットになりました。
この交流は、米国史上、ジョン万次郎等遭難を経て辿り着いた者を除き、初めて一般のアメリカ国民が日本人と直接触れ合った機会であり、日本にとっても、約250年の鎖国が続いた後の初めての外国文化・文明との本格的な接触でした。今日日米両国は国際社会の平和と安定に不可欠な役割を果たす緊密な関係にありますが、この緊密な協力関係の原点が150年前の遣米使節団の米国訪問であったこと、また、両国市民交流の幕開けとなったこの使節団の魅力的なニューヨーク滞在に思いを馳せてみては如何でしょうか。
ニューヨーク市博物館(Museum of the City of New York:1220 Fifth Avenue at 103rd Street)では、6月25日から11月7日にかけて遣米使節団ニューヨーク訪問記念展示会(Samurai in New York: The First Japanese Delegation, 1860)が開催されます。この展示会では日本から取り寄せたものも含め、当時の貴重な写真、新聞記事、美術品等が展示され、ニューヨーク市民と日本人が初対面を迎えた際の驚きと発見が生き生きと再現されるでしょう。博物館では展示会と並行して講演会、パネル・ディスカッション等の幅広い年齢層の皆様に楽しんでいただける行事も計画しています。本年は6月6日に行われる恒例の日本祭りJapan Day @ Central Parkでも150周年に因んだイベントが行われる予定です。最新の関連行事については、「関連行事」のリンクをご覧ください。皆様のご来場をお待ちしています。
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在ニューヨーク日本国総領事館広報センター
遣米使節団150周年記念行事実行委員会
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(48丁目と49丁目の間)
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