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海外安全対策連絡協議会

2003年12月11日

テロ・治安情勢・こころのケア・SARS・インフルエンザ対策

12月11日、当地の日系団体、日系メディアや旅行業界などの関係者が参加して、治安やテロ情勢、安全対策について情報交換を行う「海外安全対策連絡協議会」が総領事館内で開催されました。今回はテロ・治安情勢に加えて、「こころのケア」をテーマに、当地に滞在する日本人のメンタルヘルスについて、専門家の方々から様々なアドバイスを頂きました。


治安情勢

ニューヨーク市における犯罪発生状況は11月末現在で、昨年同期と比較して−5.6%であり、過去35年において最も少ない発生状況となっています。減少した犯罪は、強姦−1.5%、強盗−4.5%、暴行−9.5%、侵入窃盗−7.5%、自動車盗−12.4%であり、逆に増加したのは、殺人+1.1%、窃盗+0.7%となっています。

クリスマスや正月のカウントダウン等で人が多数集まるところでは、スリ・置き引きなどが増加するので注意が必要です。


テロ関連情勢

ニューヨーク市は依然としてテロ脅威レベルはオレンジ(高い)の状態であり、アルカイダ等のテロリストはニューヨーク市の他、米国内の都市におけるテロの機会を伺っていることは間違いないと言えます。当地においてテロの標的に最もなりやすいのは、橋やトンネル、駅、自由の女神など米国を象徴する建物などです。

日本もイラクへの自衛隊派遣の基本計画決定されたことで、日本人および日本の権益に対する攻撃の可能性は否定できません。

メディアを通じてテロ情勢に関する情報を入手すると共に、外出の際には周囲の状況に注意を怠らないようにすることが重要です。


こころのケア

  1. 斉藤卓弥・在NY総領事館精神科顧問医師
    1. 心の病について

      こころの病にはさまざまあるが、最も頻繁に見られるもには、うつ病と不安障害があります。うつ病とは、気持ちが落ち込み何もやる気がなくなる、集中力がない、食欲がなくなる、眠れないと言った症状を示す病で一般の人の約5%〜10%がかかっていると考えられています。不安障害とは、極端に緊張したり、落着かないといった症状から、動悸・息切れといった身体の症状まで広範な症状を含む病で、一般の人の約10から20%がかかっているといわれます。うつ病も不安障害も、悲しいことがあって気持ちが落ち込むことや、テストを受ける、話をするといった予定のある時に不安になるといった一時的なものではなく、通常の落ち込みや不安より長期間しかも強 く続くものを指します。米国の専門機関の統計では一年を通じて5人に1人は専門的な治療が必要とされています。また、WHOが中心になって心の病についての調査がなされ、人間の生活に多大な影響を与え、これが経済社会に大きなダメージを与えていますことが判明しています。2020年にはうつ病が心臓疾患に次いで第二の現代人の病気になると予想されています。心の病は社会の進歩に伴って増加することは避けられないが、海外生活を行う場合その危険は更に高まります。

    2. 9.11テロ事件によるストレスについて

      9.11テロ事件の後、コネチカット州の教育機関が同テロ事件によるIESスコア(どのくらい心的外傷でダメージを受けているか)について調査し ました。第一回目は2001年12月、2回目は2002年9月、3回目は2003年9月に行われ、2回目までの結果が出されています。同調査は教育機関に在籍する子供、及びその父母に対して行われたものであり、そのうち特に父親がストレスを強く受け、飲酒や喫煙でストレスを解消しているという結果が判明しています。テロ事件時にマンハッタンにいた父親と、それ以後来た父親ではストレスの差が約3倍となっています。飲酒は精神医学界では最悪の精神安定剤と言われており、カウンセリングや薬の服用が勧められ ます。

      母親のIESスコアは父親と比較すると格差は大きくありませんが、やはりテロ事件時マンハッタンにいた人のストレスが高くなっています。ただし女性の場合は自分の心の状態によく気を付けており、メンタルヘルスの診療を受ける人が多い のが特色です。テロ事件の際も総領事館が主となって「心のケアホットライン」が設置されたが利用者の多くは女性で した。

      子供への影響については、子供は郊外の学校に通っている場合が多く、テロの際も危険な状態に置かれることはなかったが、事件の後で高いストレス状態が観測され ました。

      9.11テロ事件によるストレスはその後ニューヨークの治安が安全になったにも拘わらず依然として高く、それはテロの危険が存在することにより安心感がなく慢性的な不安に陥っていることが原因として考えられ ます。また米国人全体がテロの影響を受けて性格が内向的になり、外出せずに庭仕事を行う人の数が多くなったとの報告もあ ります。

    3. 海外生活に伴うストレスについて

      海外に外国人が生活する場合、その外国文化への適応形態として4つのパターンに分類され ます。同化型、疎外型、境界型及び統合型です。

      このうち同化型は、米国の場合、米国文化をすばらしいと思い、積極的に同化していくタイプであるが、人種的偏見などもあることから、なかなか難しい。

      疎外型は、米国に住みながら米国の文化から切り離して生活していく、閉じこもるタイプです。

      境界型は、米国文化を受け入れようとするが、うまく米国生活にとけ込めないタイプであり、日本人にこのタイプが多い 見受けられます。

      統合型は、日本人としてのアイデンテティを失わず、米国の良い文化を受け入れていくタイプであり、文化的対応は理想的で す。

      海外生活に伴うストレスは、会社などに通う父親よりも家庭にいる母親や子供に多く発生ています。夫は海外転勤を業務として受け入れるが、母親は夫に連れてこられたという意識があり、また夫は妻が付いてきて当然と考えるため、恨み辛みが生まれることもあり、不満を述べるほか、学校に行けないといったことが起こり えます。このようなことにならないよう、手当がなされる必要があります。家庭の関係を安定させることは、家族のみならず会社によっても大きなプラスとなるため、会社側の配慮も大切で す。

  2. 日米カウンセリングセンター責任者(ソーシャル・ワーカー)レイス松木史さん

    連絡先:電話212-720-4560/4561/4557
    電子メールyuko@mail.hmh100.com
    1. 同センターの歴史、現状等概況

      同センターの母体団体は、1898年に設立された非営利社会福祉団体のハミルトン・マジソン・ハウスである。同団体はニューヨーク州政府からの基金を得てアジア系人(中国、韓国、東南アジア)に対する支援活動を開始し、その活動の一部として20年前に日米カウンセリングセンターが立ち上げられました。現在3人のサイコセラピストで運営されています。セラピストは州の資格保有者であり、毎年、州または市から内容に関して監査を受けます。

      1995年にはNY市が財政難から資金援助を減らしたため、センター閉鎖の危機に遭遇したが、9.11のテロ事件発生後は、総領事館が立ち上げた「心のケアー・サポート・ネットワーク」と連絡を密にし、また赤十字や日系の各団体、連邦政府のプロジェクトとの連携及び患者数の増加の増加に伴い、現在の3人体制で日本人対象に心のケアーを行っています。

      患者は、11歳から82歳と幅広い年齢層で、80%は女性です。症状は様々で、精神分裂病(統合失調症)、うつ病、対人関係による悩み、パニック症、家庭内暴力(DV)、児童への虐待等があ ります。

    2. カウンセリングの受け方

      電話予約から始まり、カウンセラーとのアポイントメントの実施、その後、精神科医との面接、その他関連機関への紹介等をしています。アルコールや薬物の場合は、専門機関の紹介を行い、離婚等その他訴訟問題は、弁護士を紹介することになり、それ以外の症状について、カウンセリングを行っています。精神科医においては、通常の医者と同様、薬の処方、適当な処置のアドバイスを行っています。料金は1回30ドルからで、収入に応じ対応しています。また、メディケア(高齢者を対象とした医療保障)、メディケイド(低所得者等を対象とした医療扶助)、各種保険も受け付けています。

  3. 日米ソーシャルサービス(JASSI)松沢寿乃さん 連絡先:電話212-255-1881
    電子メール9-11info@jassi.org
    1. JASSIはニューヨークと周辺地域の日系社会への社会福祉を目的として1981年に設立されたNPO団体で、スタッフは全員日本人で構成され、高齢者の援護をはじめ在留邦人の社会福祉問題、家族問題、医療保障、住宅問題等の解決に取り組んでいます。

    2. 特に9.11の同時多発テロ事件以降には精神的後遺症やその他の問題に悩む邦人に対し「9.11サポート・サービス・プログラム」を策定し積極的な支援を行っており、カウンセリングと必要に応じた支援機関等の紹介を実施しています。

    3. 本件サポート・サービス・プログラムの具体的な内容としては(i)9.11ワークショップを開催し、米国政府関係機関が作成した9.11関連の関係書類を翻訳し在留邦人に提供、(ii)ワークショップを開催し、カウンセラーや米赤十字を交えたグループミーティングを実施、9.11以降の移民法改正説明会等、(iii)個人へのケースマネージメントを行っています。

    4. 9.11以降のJASSIにおけるケースマネージメント取扱件数は33件、74人で16歳から50歳の方から相談があ りました。全体的には旅行業、マスコミ、自営業等経済的なダメージを受けた業種の方からの相談が多く、相談者に女性が多いのが特徴で す。

      JASSIの活動の一例を紹介させて頂くと、テロの対象となったワールド・トレードセンターに勤務していた女性はテロ事件以降、失業し生活に困窮していましたが、JASSIでは同女性に対し家賃援助、職業訓練、フードスタンプの申請(食糧支援)、引越資金の申請援助を行 いました。JASSIで支援を行った邦人に多く共通して見られるのは「テロ事件被害により自分よりもっと大変な人がいるのに自分が援助を受けては申し訳ない。恥ずかしい、情けない。」等、援助を受けることに消極的傾向があ ります。

SARS対策(総領事館医務官)

SARSの季節である冬の到来であるがNYにおいては、今年4月以降状況は安定しており特に深刻な問題になることもないと予測されています。外務省のHP上のSARS関連情報サイトを活用して ください。


インフルエンザの予防接種(総領事館医務官)

ワクチンの不足が毎年叫ばれるが現段階ではNY市当局の情報では市民全員に供給できる状態です。また、市の相談窓口「311」に電話すればコミュニティセンターにおける無料の接種(対象は65歳以上の高齢者及びその同居家族に限定)等についても情報が得られ ます。

(c) Consulate-General of Japan in New York
299 Park Avenue 18th Floor, New York, NY 10171
Tel: (212)371-8222
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