Continuing Education シリーズ 第3回:プレイセラピー 概要
プレイセラピーのリサーチ:プレイセラピーはSoft Scienceと考えられがちですが、ここ20年の間にプレイセラピーの効果測定の研究が盛んに行われてきました。 その為、現在プレイセラピーの中の幾つかのアプローチは、SAMSHA (Substance Abuse and Mental Health Service Administration) の National Registry of Evidence-based Programs and Practices (NREPP) に、実証学に基づいたアプローチとして登録されています。
遊びとプレイセラピー:遊びとプレイセラピーの違いについて触れ、プレイセラピーの中では遊びがもつ治癒的要素を意図的にしかし理論に従って適用していくことが大切です。またプレイセラピーを行うにあたって、おもちゃの選択がキーになります。どのおもちゃでもプレイセラピーに使えるというわけではなく、プレイセラピストとしておもちゃを集めるのではなく、選べる力が必要となります。
プレイセラピーの理論:プレイセラピーの中でも色々な理論があります。最近は統合的アプローチが提唱されてきていますが、一般的に子ども中心プレイセラピーが基本となり、このアプローチができなくてはプレイセラピーはできないといっても過言ではないでしょう。このワークショップでは子ども中心プレイセラピーの基本的なスキルをロールプレイを通して練習したほか、支持的なアプローチの中で使ういくつかのアクティビティが紹介されました。
ポストトラウマティックプレイ:トラウマ体験のある子どもがプレイセラピーの中でよく従事するポストトラウマティックプレイの話をしました。ポストトラウマティックプレイは必ずしも悪いものではなく、発展的ポストトラウマティックプレイと停滞的ポストトラウマティックプレイがあります。プレイセラピストとして、まずポストトラウマティックプレイが行われた時にすぐにそれを認識できること、そしてそれが発展的か停滞的かを判断し、停滞的な場合は見合った介入をする必要があります。
その他のプレイセラピー的アプローチ:プレイセラピーは個人療法のイメージがありますが、グループプレイセラピーや保護者をtherapeutic agentとして治療に参加してもらうアプローチなどもあります。最後に遊びを元にしたペアレンティングトレーニング (Child Parent Relationship Therapy :CPRT)を簡単に紹介しました。
参加者の中には長年プレイセラピーを行っている経験のある臨床家から、子どもの臨床はしていないという方など様々な方がいらっしゃいましたが、遊びという非言語をコミュニケーションにしたプレイセラピーを学ぶことで、非言語のコミュニケーションに敏感になることは、大人のクライエントにも同様に大切だなどという感想もありました。
みなさんご自分の遊び心に触れながら参加されたワークショップとなりました。
プレイセラピーに興味があり、プレイセラピーの資格(Registered Play Therapist: RPT) をとりたい方は Association for Play Therapy (www.a4pt.org) のウェブサイトをご参照ください。