森大使・総領事からのご挨拶

令和6年7月1日

 

森 大使・総領事
在ニューヨーク総領事・大使
森美樹夫
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  暑さが日増しに強まるこの頃、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
  本年5月11日、ニューヨーク市内で第3回ジャパン・パレードが行われ、昨年に続き、約5万人の観客動員を記録し、成功裡に執り行うことができました。開催にあたりご尽力いただきました全ての関係者、関係企業の皆様、パレードの参加者の皆様に感謝申し上げます。年代、ジャンルを超えて多岐に亘る日本文化、日本の価値観があることを広く示すことができました。特に、今年のパレードでは、グランド・マーシャルとして、元車いすテニスのレジェンドの国枝慎吾さんに参加いただきました。また、神輿や太鼓、よさこい、花笠踊り、武道、鬼滅の刃など、練り歩きながら様々なパフォーマンスが繰り広げられたほか、LGBTQや県人会、大学同窓会など、当地のコミュニティからも参加いただきました。パレード会場の近くでは、ジャパン・ストリートフェアが開催され、日本食を提供するフード・テントのほか、折り紙、ヨーヨー釣り、書道などの体験ができるアクティビティ・テント等が設置され、多くの来場者に楽しんでいただきました。過去3回のパレードを通じて、日本文化や日系コミュニティの存在を米国社会に強く印象づけ、日本のプレゼンスを高めるとともに、現在の良好な日米関係を認識してもらいつつ、その重要性について改めて提起することができたと感じています。皆様のご協力も得つつ、パレードのような機会を通じて今後も「ニューヨークから日本を元気にしていきたい」と考えています。

  本年4月、岸田総理が米国を公式訪問し、バイデン大統領と首脳会談を行いました。国際社会が複雑かつ多様な課題に直面している今、日米両首脳がグローバル・パートナーとして、国際社会の平和と繁栄に向けて国際秩序を維持・強化していくという決意を表明したことは、非常に大きな意義があると考えます。また総理は、連邦議会における演説で、「小学校の最初の3年間をニューヨークのクイーンズにある公立小学校であるPS20とPS13で過ごした」として、当時温かく迎えてくれたクイーンズの方々への感謝の意を示されました。今ある日米同盟の強固な姿も、こうした地元コミュニティの人々との繋がりの一つ一つから始まるのだということを、改めて感じる次第です。

  ニューヨークは、金融、文化、メディア、芸術、ファッションなど、様々な分野で世界の注目を浴びている都市ですが、総領事館としても様々な分野で頑張っておられる方々との人間関係を大切にしながら、その地の利を生かして、経済、金融等のイベント等も通じて、日本産品市場や日本への投資の拡大に向けて、可能な限りの売り込みを図っていきます。私自身、本年は2月にはデラウエア州、4月にはペンシルベニア州をそれぞれ訪問して州知事と面会し、日本との経済・文化の交流振興等について有意義な意見交換を行いました。4月にはバッファローを訪問しました。引き続き多くの場所に足を運び、各地の人々との友好関係を構築・増進していきたいと思います。

  海外在留邦人の皆様の安全確保は、総領事館の最も重要な責務の一つであり、皆様が安心して、安全に暮らすことができるよう、館員一丸となって取り組んで参ります。米国は今年、大統領選挙という何よりも重要な節目を迎えることから、領事メールやHP、SNS等を使った情報提供等に一層努めます。邦人の安全確保の活動では各日系人・日本人団体にもご協力やご支援をいただいており、大変ありがたく存じます。3月には日本人等に精神医学サービスを提供するハミルトン・マディソンハウスを訪問させていただき、社会的に弱い立場にある方々へのケアについて学ぶ機会を得ました。当地における日本人に対する長年の支援に改めて敬意を表するとともに、感謝申し上げます。

  皆様方におかれても、当総領事館の活動にご理解を賜り、引き続きご支援、ご協力を頂ければ幸いです。

 

 

森美樹夫・在ニューヨーク総領事・大使