米国食品医薬品局(FDA)は、17日、米国内では第1号となる、H5N1型インフルエンザウイルスに対する、ヒト用のワクチン(パスツール社製)を認可しました。当局は、「H5N1型が急速にヒト-ヒト感染を生じるようになれば、このワクチンは、パンデミックウイルス株に合わせて作られるワクチンが開発されて生産が始まるまでの数ヶ月間、初期の限定的な予防効果を提供するものである」と発表しています。
- 「パンデミック・インフルエンザは現在米国、世界が直面している最も大きな公衆衛生上の脅威である。このワクチンの認可はパンデミックを防ぐ重要な第一歩である。」とFDAのコミッショナー、アンドリュー・エッシェンバッハ氏は述べています。H5N1型は鳥の間に流行している種類で、季節性のインフルエンザと異なり、重傷で急速な経過をとり、肺炎や多臓器不全を起こす事が知られています。米国では現在H5N1型は報告されていませんが、世界中で約300人が感染し、その半数が死亡しています。現在のところH5N1型は主として動物の病気ですが、ヒトに感染し易い能力を獲得した場合、人間には免疫が無いため、世界全体の大きな脅威になる可能性があります。
- ワクチンはH5N1型に曝露するリスクが高い18才から64才までのヒトでの使用を意図して認可を受けています。ワクチンは1ヶ月の間隔を空けて2回の接種が必要です。ワクチンは一般には販売されず、国内備蓄に保管され、公衆衛生関係当局によってのみ入手可能となります。
- 臨床試験では103人の成人に90マイクログラムが2回投与され、45%にインフルエンザ感染を防ぐに十分なレベルの抗体が獲得されました。残りについては十分な抗体レベルが得られませんでしたが、現在流通しているインフルエンザワクチンの研究によれば、抗体価が低くても、インフルエンザの重傷度を低下させたり、関連する入院や死亡のリスクを低くする事が知られています。
- 米国政府は、メーカーと協力しながら、引き続き、低量で十分な効果の得られるワクチン開発を進めています。緊急事態に備えた医薬品、医療用品を大量に備蓄しており、米国内のいかなる州にも12時間以内に配送出来る体制をとっています。
参照:
FDAサイト 
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