麻疹(はしか))の日本での流行について
関東地方を中心として麻疹(はしか)が流行し、大学、高校なども相次いで休校となっていますのでお知らせいたします。
- 国立感染症研究所感染情報センターによれば、2007年度第1〜第17週までの患者累積報告数は383例(埼玉県109例、東京都64例、千葉県42例、神奈川県30例、大阪府16例、栃木県、愛知県各14例、鹿児島県12例)で、今のところ関東地域が中心ですが、麻疹発生は全国的にひろがりつつあります。年齢別割合では、0〜1歳児の発病者の割合は依然として高い状況ですが(0歳14.5%、1歳15.6%)、これまで全報告数の60%を占めてきた0〜4歳の報告数が40.0%と減少し、一方、10〜14歳の報告が33.5%と、比較的年長者の割合が流行の進展とともに増加してきています。
- 報道によれば、都内では早稲田大、創価大、上智大、駒沢大、日本大、中央大、成蹊大などが休校中で、都立高校でも3月以降多数が学校・学級閉鎖をしています。
- 麻疹は、麻疹ウイルスによって引き起こされ、空気感染、飛沫感染、接触感染と様々な感染経路を示す極めて感染力の強い感染症です。特異的な治療法はなく、カタル期・発疹期を合わせると1週間以上高熱が続き、肺炎、脳炎、中耳炎などの合併症発生率が未だに高い疾患です。麻疹に罹患し、一度典型的な麻疹を発症した者は、終生免疫が獲得され、再び麻疹を発症することはありません。
- 予防接種については、以下の通りです。なお、当地では麻疹ワクチン単独あるいは三種混合ワクチン(MMR)として接種可能です。
- 1歳以上、30歳未満で予防接種を一度も受けていない方は、必ず接種してください。
- 過去に予防接種を受けた方でも1回だけであれば再度受けた方が良いでしょう。
- 9ヶ月以上の子供は受けた方が良いと言われています。特に保育園など、集団生活をしているお子さんは受けましょう。麻疹の患者さんに接した場合には、直ぐに接種を受けてください。
(注:当地での接種は通常1歳以上となっています。休暇等で日本に帰国される予定の方は、日本の事情をご説明の上、小児科医とご相談ください。)
- 妊娠している方以外は、麻疹の予防接種を複数回接種しても特に問題ありません。
- 40歳以上の方で、子供時代に麻疹にかかっている事が確かな場合には、予防接種は不要です。
- 参照:
- 国立感染症研究所感染症情報センター
- 米国予防接種情報
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