北米地域:ウエストナイルウイルス感染に注意
2008年7月23日
外務省が7月18日に発出したウエストナイルウイルスに関する感染症広域情報を以下のとおりお知らせしますので、御注意ください。
1.ウエストナイルウイルス感染者の報告
ウエストナイルウイルスは1937年にウガンダで初めて確認された後、アフリカ、西アジア、中東、ヨーロッパ等で感染者が確認されています。北米では、1999年にニューヨークでウエストナイルウイルスによる感染症が発生して以来、毎年蚊の活動が活発になる7月から10月頃にかけて主に米国、カナダなど北米地域でウエストナイルウイルス感染者が報告されています。
米国疾病対策予防センター(CDC)によれば、2008年7月15日現在、米国内で28人のウエストナイルウイルス感染者(死亡者0人)が報告されています。州別の感染状況は以下のとおりです。最新の感染者数等については、CDCのホームページにて御確認ください。
- アラバマ州 1人
- アリゾナ州 1人
- アーカンソー 2人
- カリフォルニア州 3人
- ミシシッピー州 8人
- ノースダコタ州 4人
- オクラホマ州 2人
- サウスダコタ州 1人
- テネシー州 1人
- テキサス州 5人
また、7月5日現在、カナダにおいては、感染は確認されておりませんが、今後感染者が発生する可能性がありますので、最新情報については、 カナダ公衆衛生庁のホームページにて御確認ください。
これから夏休みシーズンに入り、米国やカナダなど北米地域への旅行者も多くなることが予想されます。渡航・滞在を予定されている方は、最新の関連情報を入手するとともに、以下2.(3)の予防対策をとってください。
2.ウエストナイルウイルスについて
- (1)感染源
- ウエストナイルウイルスはウイルスに感染している蚊(イエカ、ヤブカなど)に刺されることで感染します。ヒトからヒトへの感染や、感染した患者から感染が拡大することはありません。
- (2)症状
- ウエストナイルウイルスに感染し発症した状態がウエストナイル熱といわれるものです。発症するのは2割程度(潜伏期間は通常2〜6日)で8割の人は無症状です。発熱(39度以上)、頭痛、筋肉痛、時に発疹、リンパ節の腫れなどの症状が3〜6日ほどみられますが、通常は1週間程度で回復します。また、ウイルスが脳に感染して更に重篤な状態となるのがウエストナイル脳炎で、激しい頭痛、意識障害、痙攣、筋力低下、麻痺などの症状が数週間続き、後遺症が残ることもあります。ウエストナイル脳炎はウエストナイル熱感染者の約1%と言われていますが、特に高齢者に多いようです。これまで、日本においては2005年に輸入症例が1件発生しましたが、国内感染の報告はありません。
- (3)治療・予防方法
- 現在のところ、ウエストナイルウイルスに対するワクチンはありません。また、ウエストナイル熱やウエストナイル脳炎に対する特効薬もなく、症状を軽減するための対症療法が中心となっています。蚊に刺されないようにすることが最大の予防策です。戸外に出るときは、虫よけスプレーを利用したり、できる限り長袖、長ズボンを着用するようお勧めします。
- (問い合わせ先)
- ○外務省領事局政策課(海外医療情報)
- 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
- 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
- ○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
- 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
- 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
- ○外務省 海外安全ホームページ:
- http://www.anzen.mofa.go.jp/
- http://www.anzen.mofa.go.jp/i/ (携帯版)
- ○厚生労働省ホームページ(ウエストナイル熱関連情報)
- http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou08/02.html