平成21年秋の叙勲について (倉岡伸欣氏)
2009年11月2日
日本国政府は、11月3日に平成21年秋の叙勲受章者を発表し、ニューヨークに在住する日本人では日本食レストラン事業の先駆者である倉岡伸欣氏に旭日小綬章が授与されることになりました。功績概要は以下をご覧下さい。倉岡氏への勲章の授与は11月11日に外務省(東京)において行われます。
平成21年秋 叙勲 功績概要
- 倉岡 伸欣 氏(Mr. Nobuyoshi Kuraoka)
- 旭日小綬章 (The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Rosette)
主要経歴
- 昭和26年
- 東京都立戸山高校卒業
- 昭和30年
- 慶應義塾大学法学部卒業
- 昭和33年
- オハイオ州立マイアミ大学大学院政治科学学部卒業。MA取得
- 昭和36年−現在
- ニューヨーク市においてワコーインターナショナル株式会社設立。同社社長
- 昭和38年−現在
- ニューヨーク市にレストラン日本を開店
- 昭和42年−平成14年
- 東洋大学短期大学ホテル観光学科非常勤講師
- 昭和51年−現在
- そば料理店等を経営するクラオカアンドカンパニー設立
- 昭和55年−現在
- 愛知県立芸術大学美術学部デザイン科非常勤講
- 昭和61年−現在
- 機内食等のケイタリングを行うワコーインフライト設立
- 平成 元年−現在
- 冷凍ゆでそばの販売等を行うデリシャスマンハッタン設立
- 平成11年−平成13年
- 宮城県立宮城大学事業構想学部非常勤講師
- 平成20年−現在
- 特定非営利活動法人日本食レストラン海外普及推進機構ニューヨーク支部長
功績概要
倉岡氏は、昭和36年に単身でニューヨーク市マンハッタンにワコーインターナショナル株式会社を設立し、外食事業の足掛かりを設け、その2年後の昭和38年に米国初の本格的寿司バーを備えた日本食レストラン「レストラン日本」を開店した。また、本格的二八そばの提供を行うため、そば博士として有名な長友大氏の指導の下、カナダにおけるそばの自家栽培を初めてとして、豆腐製造機を開発し100%木綿越し豆腐の提供や日本産天然本わさびの輸入等、常に本物の本格的な日本食の提供にこだわり、今日のニューヨークにおける日本食の普及に大いに貢献してきた。
また、同氏の活動で特筆すべきものとして、米国でその存在すら知られていなかったトラフグの輸入を始めたことが挙げられる。米国連邦政府食品医薬品局と5年に及ぶ交渉の末、平成元年に輸入許可を得た。これにより、単に我が国食文化の普及という点だけではなく、ニューヨーク市の食文化においても多大な功績があったという点も評価され、当時のニューヨーク市長のディンケンズ氏から感謝状が贈られた。
さらに、同氏は、本業のレストラン事業を行いながら、長年に亘り日本において若者の教育にも携わっており、昭和42年から始めた東洋大学短期大学の非常勤講師を皮切りに現在に至るまで年に数回日本で教鞭を取るという教育者としての功績も残している。
こうした同氏の功績が評価され、平成18年には第一回日本食海外普及功労者表彰を受賞している。