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ウエストナイル熱・脳炎に注意

2010年8月11日

 1 ウエストナイルウイルス感染者の報告

ニューヨーク市は、同市内でウェストナイル熱感染者が確認されたことを発表しています。(2010年8月6日で3名の感染者を報告)

同市は7月2日に、ウェストナイルウィルスを保有した蚊を市内のいくつかの地域で捕獲したことを報じており、7月16日には、同ウィルスを保有する蚊が高い確率で発見されており、スタッテンアイランド、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクスにおいて駆虫作業に着手したと報じていました。

 ニューヨーク市精神保健衛生局(DOHMH)ホームページ
http://www.nyc.gov/html/doh/html/home/home.shtml
 ニューヨーク州保健局ホームページ
http://www.health.state.ny.us/

当館でも、ホームページを通じて7月16日から注意喚起を行ってきましたが、ニューヨーク市内で感染者が発生したことから、あらためて下記のことを注意していただき、より一層の感染防止に努めて頂ければと思います。

 外務省「海外安全ホームページ」
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2010C213

1 ウエストナイルウイルスとは

ウエストナイルウイルスは1937年にウガンダで初めて確認された後、アフリカ、西アジア、中東、ヨーロッパ等で感染者が確認されています。北米では、1999年にニューヨークでウエストナイルウイルスによる感染症が発生して以来、毎年蚊の活動が活発になる7月から10月頃にかけて主に米国、カナダなど北米地域でウエストナイルウイルス感染者が報告されています。

米国疾病対策予防センター(CDC)によれば、2010年8月3日現在、アラバマ州(1人)、アリゾナ州(19人)、カリフォルニア州(6人)、コロラド州(4人)、ジョージア州(3人)、カンサス州(2人)、、ミシシッピー州(1人)、ミズーリ州(1人)、ネブラスカ州(2人)、ノースダコタ州(2人)、サウスダコタ州(3人)、テキサス州(1人)の各州で計45人のウエストナイルウイルス感染者が報告されています。

カナダにおいては、7月16日現在、感染は確認されていません。

米国やカナダの最新の感染者数等については米国疾病対策予防センター(CDC)やカナダ公衆衛生庁のホームページに随時掲載されていますので御確認ください。

 CDCホームページアドレス:
http://www.cdc.gov/ncidod/dvbid/westnile/surv&controlCaseCount10_detailed.htm
 カナダ公衆衛生庁ホームページアドレス:
http://www.phac-aspc.gc.ca/wnv-vwn/index-eng.php

 夏休みシーズンのため、米国やカナダなど北米地域への旅行者も多くなることが予想されますが、関連情報を入手するとともに、渡航・滞在を予定されている方は、以下3.(3)の予防対策をとってください。

1 ウエストナイル熱について

(1)ウェストナイル熱とは

ウェストナイル熱とは、ウエストナイルウイルスを保有している蚊(イエカ、ヤブカなど)に刺されることで感染し、発症した状態のことを指します。発症するのは2割程度(潜伏期間は通常2〜6日)で8割の人は無症状です。

(2)症状

発熱(39度以上)、頭痛、筋肉痛、時に発疹、リンパ節の腫れなどの症状が3〜6日ほど見られますが、通常は1週間程度で回復します。また、ウイルスが脳を包む膜である髄膜に感染したものをウェストナイル髄膜炎と言い、脳に感染したものをウエストナイル脳炎と言います。いずれも重篤で、激しい頭痛、意識障害、痙攣、筋力低下、麻痺などの症状が数週間続き、後遺症が残ることもあります。ウエストナイル脳炎・髄膜炎に至るケースは、ウエストナイル熱発症者の約1%と言われていますが、特に50歳以上の高齢者に多いことから、ニューヨーク市では、50歳以上の人に特に注意を呼びかけています。

これまで、日本においては2005年に輸入症例が1件発生しましたが、国内感染の報告はありません。

(参考)
厚生労働省ホームページ(ウエストナイル熱関連情報)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/west_nile_fever.html
(3)治療・予防方法

現在のところ、ウエストナイルウイルスに対するワクチンはありません。また、ウエストナイル熱やウエストナイル髄膜炎・脳炎に対する特効薬もなく、症状を軽減するための対症療法が中心となっています。

蚊に刺されないようにすることが最大の予防策です。戸外に出るときは、虫よけスプレーを利用したり、できる限り長袖、長ズボンを着用するようお勧めします。

 蚊から身を守るために
  • 市販の有効な虫除けスプレーなどを使い、蚊に刺されないようにしましょう。
  • 窓や仕切りで外部を遮断し、屋内への蚊の進入を防ぎましょう。
  • ボウフラの発生を防ぐため、水たまりを作らないようにしましょう。
  • 屋根の排水溝など、水の通り道をきれいに保ちましょう。
  • プールなど屋外で水を貯める場合は清潔にし、使わない時は水を抜くかカバーをするかし て、蚊が産卵しないように注意をしましょう。
  • 水たまりがあれば、311かニューヨーク市精神保健衛生局に連絡して下さい。
(参考)
外務省 海外安全ホームページ
http://www.mofa.go.jp/anzen/

 

 

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