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平成22年秋の叙勲について (村瀬實惠子氏)

2010年11月3日

日本国政府は、11月3日に平成22年秋の叙勲受章者を発表し、当館管内では、米国における日本美術・日本文化の普及に大きく貢献したコロンビア大学名誉教授の村瀬實惠子氏に瑞宝中綬章が授与される運びとなりました。

 勲章の伝達式は11月30日(火)に当地ニューヨークで行います。

平成22年秋 叙勲 功績概要

村瀬 實惠子 氏

村瀬 實惠子 氏(Ms. Miyeko Murase)
瑞宝中綬章
(The Order of the Sacred Treasure, Gold Rays with Neck Ribbon)

1.主要経歴
  • 昭和21年    東京女子大学英文学科卒業
  • 昭和37年    コロンビア大学博士号取得
  • 昭和37年    イスラエルハイファ市立美術館館長
  • 昭和37年−昭和50年    コロンビア大学美術史考古学部准教授
  • 昭和50年−平成 8年    コロンビア大学美術史考古学部教授
  • 平成 8年−現在    コロンビア大学名誉教授
  • 平成 8年−平成18年    メトロポリタン美術館東洋部日本美術特別顧問
2.功績概要

村瀬氏は,昭和37年にコロンビア大学美術史考古学部准教授就任した。専門分野の絵巻物・障壁画をはじめとした日本絵画研究に加え,新たに日本の彫刻,工芸,建築等についても研究を進め,同氏により初めてコロンビア大学に日本美術史の常設講座が開設されることとなった。昭和50年に同大学教授に就任した同氏は,平成8年にコロンビア大学を退官するまで,多くの後進を指導・養成し,米国での日本美術・日本文化の普及に大きく貢献した。教え子の中には,前サンフランシスコ東洋美術館の館長であるエミリー・サノ氏(平成20年春・外国人叙勲(旭中)を受章)や,個人収集では質・量ともに日本国外では最大の日本美術コレクションと言われる「バーク・コレクション」の所有者であるメアリー・グリッグス・バーク夫人(昭和62年春・外国人叙勲(瑞二)を受章)がいる。

また,同氏は大学で講義を行う傍ら,その成果を活かして美術館等が主催する日本美術関係の展覧会に参画し,企画から図録の作成まで大きな役割を果たした。同氏が関わった展示会としては,昭和46年にアジア・ソサエティで行われた「日本屏風絵展」,昭和50年にメトロポリタン美術館で行われた「メアリー・バーク展」等がある。

コロンビア大学勤務時代には,我が国においても,講演等を通じて,アメリカにおける日本美術研究の現状,アメリカ国内に存在する日本美術の紹介等を行い,日米双方向の学術交流に努めた。

さらに,コロンビア大学退官後,請われてメトロポリタン美術館東洋部特別顧問に就任した。同美術館の特別展の企画・図録の作成から,収蔵家や他の美術館との交渉,資金調達,運営等まで多方面での困難が伴う過程をやり遂げ,各展覧会を成功に導いた。同氏が関わった展示会としては,「夢の架け橋−メアリー・バーク日本美術展」(平成12年),「日本書道展」(平成14年〜15年),「織部−転換期の日本美術」(平成15年〜16年)がある。

 

 

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