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平成23年春の外国人叙勲について(ジョン・フユウメ氏)

2011年6月29日

 日本国政府は、6月18日に平成23年春の叙勲受章者(全外国人58名、うち米国15名)を発表し、当館管内では日系2世でシーブルック教育文化センター(ニュージャージー州)理事のジョン・フユウメ氏に旭日双光章が授与されることになりました。

フユウメ氏への勲章の伝達式は下記のとおり行います。フユウメ氏の功績概要は以下をご覧下さい。

 叙勲伝達式
日時:9月7日(水)
場所:ニュージャージー州ヴァインランド(シーブルックの東10マイル)
 平成23年春 外国人叙勲 功績概要
ジョン・フユウメ氏(John Fuyuume、米国人、男性)
シーブルック教育文化センター(ニュージャージー州)理事
旭日双光章 The Order of the Rising Sun, Gold and Silver Rays

1 主要経歴

ジョン・フユウメ氏は、大戦中の戦時強制収容所収容を経て、両親が移住したニュージャージー州カンバーランド郡シーブルックの日系コミュニティの発展に貢献した。同氏は、ビジネスマンを引退後、シーブルックの日系人の生き様を後世に伝えるべく、教育文化センターの設立に尽力し、同センターの設立後は、地域における対日理解の促進及び日系人の移住の歴史教育に貢献した。現在同氏は、シーブルック教育文化センター理事、全米日系人博物館名誉理事、日系市民連盟(JACL)東部地区副支部長を務める。

 

1 対日功績

(1)シーブルック教育文化センター設立の功績 

 フユウメ氏は、シーブルックに移住した約2,500人の日系人等の歴史を保存・教育するシーブルック教育文化センターの設立に多大な貢献をした。現在ではシーブルックの戦後史の生き字引のような存在となっている。シーブルックは、同地の農場主チャールズ・シーブルック氏の名からとった地域、シーブルック氏は、1944年、大戦中に強制収容所に収容された約2500人の日系人を、冷凍野菜工場の労働者として雇用した。日系人はそこで新しい生活を切り開き、同地域の発展に貢献した。1980年代に当初の農場が閉鎖された後、日系市民連盟(JACL)シーブルック支部では、同地域の日系人の歴史の保存と教育のための教育文化センターの設立運動が始まり、フユウメ氏は、設立委員会の発足から展示資料の収集、センターの設計・立地交渉に至るまで、日系人の中心となって同プロジェクトを推し進めた。同氏の卓越した働きもあり、運動開始後5年後の1994年にはシーブルック教育文化センターが正式に開所した。

(2)教育文化センターの発展および対日理解促進への功績

 フユウメ氏は、シーブルック教育文化センターの設立後は、来館者へのガイド活動、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルバニア各地での講演、日系人の歴史等の出版物の制作を通じて、地域の歴史教育及び対日理解促進に貢献した。同氏の積極的な貢献もあり、同センターはニュージャージー州知事観光賞を受賞(2004年)、平成22年度日本国外務大臣表彰を受賞した。

(3)日系市民連盟(JACL)シーブルック支部の発展

 日系市民連盟は全米の日系人の人権保護及び人的・文化的つながりの維持を目的とする米国最大の日系人団体であり、フユウメ氏はシーブルック支部長として、日系人の強制収容に対する権利回復に関する啓発活動を行うなど、連盟の組織力強化ならびに日系人の福祉向上に貢献した。

(4)地域コミュニティへの貢献

 フユウメ氏はシーブルック農場主一家をはじめ地域社会から受けた恩恵に報いるため、同農場に移住し地域社会の発展に貢献した日系人をはじめとするその他の民族の記録収集・出版を行った。

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