さまざまな作風で活躍しているニューヨーク在住の女性アーティスト5人が、日本に伝わる伝説を題材とした作品を競作しています。
5人は「NYキキョウの会」を結成しており、メンバーはファッション・イラストレーターでもある由美子ノーランを中心に、油絵の金丸麗子、挿絵や本の装丁などを手がけてきた吉田洋子、日本画家の塚本知子、ファッション・フォトグラファーの西浦裕恵と多彩な顔触れ。
題材に使われている日本の伝説は、由美子ノーランが「瓜子姫とあまんじゃく」、金丸麗子が「あさこ、ゆうこ」、吉田洋子が「不思議な狛犬」、塚本知子が「見るなの倉」、西浦裕恵が「浦島太郎」ほかとなっており、古くからある童話や民話を題材にしています。
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NYキキョウの会「日本の伝説絵画展」
会場:
在ニューヨーク日本国総領事館 18階多目的室
299 Park Avenue (Between 48th and 49th Streets),
18th Floor,
New York, NY 10171
開催期間:
2006年3月6(月)から3月30日(木)まで
開館時間:
月曜日から金曜日、
午前9時30分から午後12時、午後1時30分から午後4時
土曜日、日曜日、祝日は閉館
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「瓜子姫とあまんじゃく」by
由美子ノーラン
瓜から生まれた美しい娘は、瓜子姫と名付けられ、おじいさんとおばあさんに可愛いがられた。やがてお城のお殿様に嫁入りすることになるが、その前日にあまんじゃくがやってきて、瓜子姫を柿の木にしばりつけ、自分が姫になりすましてお城にいく殿様のかごに乗り込む。でもカラスの警告で救われ、姫はめでたく嫁入りをはたした。
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「あさこ、ゆうこ」by 金丸麗子
50年前、ふとしたことで仲違いした二つの村があったが、どちらの村が優れているか知恵比べで決めることになった。代表は各々の村で最も賢く美しいあさことゆうこ。二人は峠で落ち合うが、驚いたことに二人とも顔も、背丈も誕生日すら同じだった。二人はすっかり意気投合し、村を仲直りさせたという。
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「不思議な狛犬」by 吉田洋子
夜になると子供を狙う狼に困り果てた村人は、夜子供達を夕日寺に預かってもらった。寺には、昔この寺を訪れた高僧の彫った狛犬の木彫があったが、翌朝村人達はその像が血だらけで、寺に沢山の狼の死骸を見つけ、驚いた。それ以来この狛犬の像を大事に祭ったという。
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「見るなの倉」by 塚本知子
山中で美女に会った若者が、屋敷に招かれてもてなされた。倉を見てはいけません、と言われたのにその夜、そっと扉を開けてみた。その瞬間すべてが消え去り、梅林にうぐいすの声だけが響いていた。
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「浦島太郎」by 西浦裕恵
海岸で苛められていた亀を助けた太郎は、海底の竜宮城に招待され、乙姫様を楽しい時をすごす。やがて帰りたくなった太郎は「あけてはならない」と言われた玉手箱を貰って帰ってくる。戻ってみるとあたりはすっかり変わっていて、両親もいない。思い余った太郎は玉手箱を開けると、あっという間に100才のおじいさんになってしまった。
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