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3. 自然災害

自然災害は、地域によって傾向に差があることから、お住まいの地域において発生する可能性が高い自然災害について予めよく把握し、適切な対策を講じることが重要です。

(1)注意を要する自然災害とその対策 

ハリケーン
米国では、地域によりますが、毎年6月から11月末までの6か月間はハリケーン・シーズンと呼ばれ、特に8月~10月に集中して発生する傾向にあります。強い勢力のハリケーンが上陸又は接近した際には、大雨、暴風による洪水、鉄砲水、土砂災害、倒木、建物への浸水や停電などといった災害が発生する恐れがあります。

● ハリケーンの接近・上陸の可能性がある場合
・気象情報、関係当局の措置をよく確認する。
・備蓄品・持ち出し品を準備、点検する。
・避難場所を確認する。
・生活用水の確保(浴槽などに水を溜めておく)。
・窓及び自宅周囲の補強(排水溝や側溝の整理、屋外に置いてある自転車を屋内に移動、土嚢の用意、ハリケーンシャッターの取り付けなど)を行う。
・停電への備え(電池式照明・ろうそく、モバイルバッテリーの用意など)を行う。

● ハリケーンの通過中
・気象情報、関係当局の措置をよく確認する。
・屋内の安全な場所に待機する。
・停電時は、家電類の電源プラグは抜いておく(復旧時にブレーカーが落ちる可能性があるため)。
・停電時は、冷蔵庫・冷凍庫は出来る限り開閉せず、庫内の食物の腐敗を防ぐ。
・停電時は、保冷剤を冷蔵庫へ移す(保冷効果を高める)。

● ハリケーンの通過後
・気象情報、当局HPで警報が解除されたことを確認する。
・不要不急の外出は控える(しばらくは様々な危険がある(漏電、倒木、壊れたフェンスなど))。

ウィンター・ストーム
米国北部を中心に、冬季に強い低気圧などによってもたらされる大雪や吹雪、極度の低温などの悪天候はウィンター・ストームと呼ばれ、日常生活や物流に支障をきたすほどの積雪や低温をもたらすことがあり、これにより交通事故や低体温症等のリスクが高まります。

● ウィンター・ストームの兆候がある場合
・気象情報、関係当局の措置をよく確認する。
・備蓄品・持ち出し品を準備、点検する。
・窓及び自宅周囲の補強(排水溝や側溝の整理、屋外に置いてある自転車を屋内に移動、土嚢の用意、ハリケーンシャッターの取り付けなど)を行う。
・停電への備え(電池式照明・ろうそく、モバイルバッテリーの用意など)を行う。
・凍結対策品(タイヤチェーン、融雪剤、シャベルなど)を用意する。

● ウィンター・ストーム発生中
・気象情報、関係当局の措置をよく確認する。
・屋内の安全な場所に待機する。
・常に喚起に注意し、メンテナンスされていない暖炉は使わない(一酸化炭素中毒の恐れがある)。
・運転中の場合、速やかに安全な場所へ移動、停車し、車内で待機する。

● ウィンター・ストームが収まった後
・外出する場合は、積雪や路面凍結の状況をよく確認する。

(2)地域内のサイレン(警報) 

緊急事態が発生した場合、特別なサイレンが大きな高音で流され、住民に警戒を促します。火災時のサイレンと異なり、途切れずに3~5分間流れます。

● サイレンが届かない地域には、警察や沿岸警備隊が緊急事態を知らせます。旅行者や周辺地域に詳しくない方のために、公園や公共施設等に緊急事態発生時の対処法等が掲示されます。

● サイレンを聞いたら、緊急事態解除のニュースが流れるまで、ラジオ局の情報に注意して、当局の指示に従ってください。避難勧告が出されない限り、屋内に留まってください。なお、緊急に助けを求める場合以外は、電話での問い合わせは避けてください。

(3)危険から身を守るための防護

防護体制(屋内待避)を取るよう指示された場合、以下の行動を取ってください。

● 緊急情報を流すラジオ局のスイッチを入れる。

● 家族とペットを屋内に入れる。

● 全ての窓とドアを閉める。

● 換気扇、暖房、冷房等の換気装置を止める。

● 屋外に出ることは避ける。避難勧告が出されたとき以外は、屋内に留まるほうが安全。

● 暖炉の火を消し、熟が冷めたら換気弁(ダンパー)を閉じる。

(4)避 難 

避難が必要な場合は、ラジオで避難勧告と状況に応じた対処法が流されます。落ち着いて、慎重かつ適切な行動を取るようにしましょう。また、緊急時の携行品及び非常用物資(上記P21参照)を用意しておきましょう。

● 車を所有していない知り合いをなるべく同乗させる。


● 車の窓や通気口を閉め、避難エリアを出るまでは冷暖房をつけないようにする。

● 衛生と安全上の理由からペットを公共の避難所に連れ込むことは出来ないので、避難所の外のペット用エリア、または自身の車に入れる。ペットフードやペット用品も携帯する。

● 所定の避難ルートに沿って避難する(近道や裏道は閉鎖されている可能性あり)。

● 車を持っておらず、緊急避難用バスが自宅エリアを巡回している場合、近場の緊急避難用バス停留所まで歩く。

● 学校において、生徒や職員は、各郡の緊急事態担当者の指示に従い、下校、室内待機、または避難することとなる。避難指示が出された場合、生徒や職員は、スクールバスで緊急事態指定区域外の学校レセプションセンターに移動するので、保護者は学校ではなく、各郡が指定する学校レセプションセンターに問い合わせること。

(5)停電が起きた場合の対応

● 電気製品の電源を切り、電力復旧時に一度の電源が入り、再び容量を超えることを防ぐ。


● 冷蔵庫・冷凍庫は出来る限り開閉せず、庫内の食物の腐敗を防ぐ。


● なるべく外出しない。外出しなくてはならない場合、落下した電線からできるだけ遠ざかる。


● 電池式のラジオで、復旧等の最新情報の入手に努める。


● ろうそくやランプを使用する場合には火災に注意する。

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