平成25年 秋の叙勲について
旭日大綬章
ジョン・デイビソン・ロックフェラー四世( John Davison Rockefeller Ⅳ )
上院議員 / 上院商業・科学・運輸委員長、元ウエストバージニア州知事
ロックフェラー上院議員は、昭和32年から昭和35年まで国際基督教大学で学んだ後、昭和36年にハーバード大学を卒業しました。その後、昭和42年にウェストバージニア州議会議員に初当選、その後、州務長官、州知事等を歴任し、昭和60年より連邦上院議員を務めています。上院議員として、これまで上院諜報特別委員長等の要職を務め、現在は、上院商業・科学・運輸委員長を務めています。
ロックフェラー上院議員は、日米間の貿易摩擦が大きな課題となっていた昭和50年代以降、ウェストバージニア州知事及び上院議員時代を通じて、同議員が州知事に就任する以前は希薄であった日本とウェストバージニア州の経済関係の強化に努めました。特に、同議員が、同州への日本企業の誘致に尽力した結果、日本企業による同州に対する初めての投資案件となった昭和61年のニッシン・ウィーリング社の設立や平成8年のトヨタ自動車による工場建設に見られるように多数の日本企業が同州に進出し、日本とウェストバージニア州の経済関係の緊密化は顕著なものとなりました。こうした同上院議員の取組は、日本とウェストバージニア州との経済関係にとどまらず、トヨタ自動車等の米国進出に伴う現地生産の拡充をもたらし、貿易摩擦の要因となっていた米国の対日貿易赤字の改善、ひいては貿易摩擦の緩和、日本と米国全体の経済関係の強化・改善にも寄与することとなりました。
また、平成17年の愛知万博の開催に当たっては、当初より同県における開催の支持を公にし、開催決定後は、ウェストバージニア州政府と協力し、同万博の成功にも寄与しました。
さらに、ロックフェラー上院議員は、平成3年以降、20年以上にわたり日米友好基金の理事を努めるなど、日米間の文化・人物交流の促進に積極的に取り組み、米国の行政官が日本において実務研修を実施するマンスフィールド研修計画や米国から日本への留学生に奨学金を交付する日米交流財団の創設等に大きな役割を果たしました。また、同議員は、上院議員に就任した昭和60年以降だけでも15回以上にわたり訪日し、その都度、日本の国会議員、政府関係者、企業関係者を始めとする多くの方々と交流を深め、自ら日米間の相互理解の促進に大きく寄与してきました。
このように、ロックフェラー議員は、昭和52年にウェストバージニア州知事に就任して以降、30年以上にわたり一貫して幅広い分野における日米関係の強化に取り組んできました。同議員のこうした取組は幅広く評価されており、平成20年には、日本商工会議所より日米特別功労賞を授与されています。