在外公館長(総領事)表彰受賞者
ハミルトン・マジソン・ハウス(Hamilton-Madison House)
1.主要経歴
1898:マジソンハウス、ローアーイーストサイドに住む低所得の移民に対してソーシャルサービスを提供するため2人のドイツ系ユダヤ人によって設立
1902:ハミルトンハウス、結核に苦しむイタリア移民を支援するため設立
1954:合併して、ハミルトンマジソンハウスとなる
1983:日本人のためのメンタルヘルスクリニックとして日米カウンセリングセンター開設
2.功績概要
ハミルトンマジソンハウスはマンハッタン・ローアーイーストサイドに位置する歴史のある隣保館(注)として、子供から高齢者まであらゆる年齢層のアジア系ニューヨーク市民に対するソーシャルサービスの提供事業に従事してきた。1983年、米国北東部において最初の日本人のための外来メンタルヘルスクリニック(日米カウンセリングセンター)が同ハウス内に開設された。現在でも同センターは米国東海岸において唯一の非営利の日本人専門のメンタルヘルスクリニックである。
同センターでは専門のカウンセラーが日本語でカウンセリングを行っている。同センターを訪れる日本人の顔ぶれは様々で、例えば、米国において成功を夢見てきた留学生、アーティスト、DV被害者女性、精神の不調に悩む日本人駐在員とその家族など様々である。現在まで多くの日本人が救われ、特に2001年9月11日に発生した米国同時多発テロ事件発生後には、事件を経験した多くの日本人がPTSDなどに苦しむ中、心のケアを無償で行うなどニューヨークの日本人コミュニテイに対して多大な貢献を行った。現在でも、毎年、100人以上の日本人が同センターでサービスを受けている。
(注)隣保館(Settlement house)=恵まれない地域で社会奉仕を提供する施設