最近相談を受けた犯罪被害(未遂を含む)案件について(注意喚起)

2014年10月17日
在留邦人の皆さま
※ 本お知らせは,ご本人にとどまらず,家族内,組織内で共有頂くとともにお知り合いの方にもお伝えいただきますようご協力のほどよろしくお願いいたします。
最近,在留邦人の方から報告または相談を受けた犯罪被害(未遂を含む)事案及び対策をご紹介します。類似の事件・事故を未然に防ぐための参考として頂きたいと思います。
皆様からの情報や体験をお寄せ頂くことが当館から在留邦人の皆様への「生きた」安全情報となり,皆様の安全確保に繋がります。
事件・事故・トラブル等に巻き込まれた場合には,警察等関係当局への通報と併せ,当館領事部(邦人援護担当212-371-8222 電子メール: ryoji@ny.mofa.go.jp)までご連絡願います。
  • [ 事案1 ]
  • 事案名: 強姦被害
  • 事案概要
    8月上旬の夜,ニューヨーク市内に語学留学中の女性が室内で知人の外国人男に強姦されました。女性は,その後,隙を見てその場を逃げだし,警察へ届出しました。
  • 対策
    強姦犯・強制わいせつの犯人は,決して見知らぬ人とは限りません。連邦捜査局(FBI)の統計によれば,性的暴行の8割は知人による犯行で,50パーセント以上は住宅が犯行現場となっています。犯行は夜だけでなく日中にも多く発生しています。また性的暴行の9割は同一人種間で起きていると報告されています。

    (1) 自身の判断能力を低下させる量のアルコールや薬物を摂取しないようにして下さい。分別を持って行動しましょう。
    (2) 知らない人から勧められた飲み物・食べ物は口にしてはいけません。一瞬でも目を離した飲み物・食べ物は決して口にしてはいけません。
    (3) (交際)相手の言動や交際場所に緊張や不安,異常を感じたらすぐにその場を離れてください(直感を信じる)。ためらわずに電話等で友人に助けを求めましょう(安易に相手を信じず,遠慮することなく大声で助けを呼ぶ)。
    (4) 初めて会う相手はよく観察しましょう。公共の場所で会うようにします。知り合ったばかりの人やよく知らない人と二人きりで行動しないようにしましょう。
    (5) 小銭(電話代・タクシー代)を常に持っておきましょう。自家用車等,自身の交通手段があればなお良いでしょう。 強姦・強制わいせつの被害にあった場合には,すみやかに医療機関を受診して下さい(受診するまではシャワーを浴びたり着替えたりしない。これらにより大切な証拠が失われることがあります)。そして警察へ被害を届け出て下さい。警察にはレイプ専門の部署があり,専門家が対応しています。
  • [ 事案2 ]
  • 事案名: ニューヨーク市クイーンズ区路上での窃盗事件
  • 事案概要
    8月上旬,在留邦人の女性が,ニューヨーク市クイーンズ区所在の美術館に歩いて行く途中,路上にて手に持っていたスマートフォンを男に盗まれる事件がありました。同女性は,男を追いかけた際に転倒したために両手を怪我し,縫合手術を受けました。
  • 対 策 人気商品や高価なものを持っていることを公共の場で見られてしまうことは,犯罪を誘発しているおそれがあります。外出する際に高価なものを持ち歩くことは極力避けるべきです。スマートフォンなど日常生活で使用するために持ち歩かざるを得ない場合には,できるだけ不特定の人がいる場所での使用は避けましょう。
    ひったくりや置き引きの被害に遭った際には,犯人を追いかけることは,相手が凶器を持っている可能性もあるので,かなりの危険が伴います。よって,窃盗被害に遭った場合には,(特に1人で)追いかけることは止めましょう。警察に届け出る場合には犯人の特徴を必ず聞かれますので,可能であれば多くの情報を記録(記憶)しておくと良いでしょう。
  • [ 事案3 ]
  • 事案名: 遺産相続を持ちかける手紙詐欺(英国に実在する銀行からの手紙)
  • 事案概要
    8月下旬,英国に実在するXX銀行のPaul Shepard(肩書きDirector, Business and Private Bank)を名乗る人物から在留邦人の女性宅宛に一通の手紙が郵送されてきました。その手紙は,同銀行に口座を持っていた遠縁の親族が他界したため,遠戚且つ同姓のあなたが多額の遺産相続人としてノミネートされたので連絡して欲しいとの内容でした。女性は,手紙の内容に不審を覚えたので一切応じず,総領事館に連絡しました。
  • 対策
    通常,日本ではこのような甘言にだまされることはないにもかかわらず,緊急性を訴え,何十億円もの金銭が関わっている事を強調し秘密厳守を求める等,日常とは異なる海外での意外性にだまされてしまうことがあります。
    このような手紙を受け取ったら,「世の中そんなにウマい話はない」と疑い,不用意に反応したりせず,不法な誘いは無視し,確認を要する案件と思える場合には差出人となっている機関・会社への連絡や弁護士への相談をお勧めします。
    なお,当館が在留邦人の皆様から報告を受けたケースでは,送られた手紙には以下の内容が共通していることが判明しました。

    ・○○氏(宛名人と同じ姓の日本人名)がビルマ(ミャンマー)旅行中に死亡した。
    ・○○氏の銀行口座には28,844,000英ポンド(約50億円)の預金が残されており,○○氏の遠戚であり同じ姓を持つあなたを遺産相続人としたいので連絡して欲しい。
    ・あなたは遺産の65パーセントを受け取り,銀行が35パーセントを受け取る。
  • [ 事案4 ]
  • 事案名: IRS(米国歳入庁)を騙る電話詐欺(続報)
  • 事案概要
    ある日,IRS調査官等を名乗る者から電話があり,税金の滞納等を指摘され強引にペナルティ(金銭)の支払いを要求されました。架電者は「ペナルティを納付しなければ法的手続き(国外追放など)が取られる」と脅してきます。こちらが応じないとしつこく電話をかけてきたり,何度も留守番電話を残してきます。
  • 対 策
    本年4月以降,在留邦人の皆様から60件以上の報告を受けている案件です。1名の邦人は実際に約1,000ドルの被害に遭ってしまいました。
    犯行者は,202(ワシントンDCの市外局番)で始まる電話番号で発信し,南西アジア系なまりの英語を話す傾向があることが報告されています。なお,最近の報告では,市外局番は202に限らず,「916」「206」や電話番号が表示されない場合もあるようです。
    公的機関が電話で罰金や税金の納付のためにクレジットカードやプリペイドカード番号を聞き出すことはありません。用件がおかしいと思った場合には,長話をせず,先方の名前と連絡先を聞き「かけ直す」旨伝え一度電話を切って確認しましょう。詐欺の疑いがあると判断した場合には再度応答しないようにしましょう。心あたりのない電話に対しては無視することが一番の対策です。
    IRSを騙った者から連絡を受けた(被害にあった)場合には,米国財務省税務管理監査官(TIGAT: Treasury Inspector General for Tax Administration)へ報告して下さい。

    TIGAT ウェブサイト
    http://www.treasury.gov/tigta/contact_report_scam.shtml
  • [ 事案5 ] *短期渡航者の方からのご相談
  • 事案名: JFK空港での白タク被害
  • 事案概要
    9月中旬,日本からJFK空港に到着した短期渡航者の男性が,マンハッタン区所在のホテルに行くためのシャトルバス乗り場を探していたところ,男に「バス乗り場まで案内する」と言われついて行きました。男性はターミナルに隣接する駐車場に連れて行かれ,用意されたバンタイプの車に乗り,ホテルに向かいましたが,ホテルに到着すると特別料金として法外な金額を請求されました。
  • 対 策
    (1)土地勘のない方は,渡米前に空港到着後の移動手段を予め決めておきましょう。また,手配が本邦から可能なものは,予め手配することが望ましいでしょう。
    (2)空港到着時には予め決めておいた移動手段を必ず利用するようにしましょう。タクシーを利用する場合,客引きは違反行為なので話を聞くことなく,決められたタクシー乗り場で乗車します。また,乗り合いは絶対に避けてください。
    (3)空港職員のような服装(スーツ姿,警備員用ベストを着用)をしている人から声を掛けられても安易に信用しないようにしましょう。
    (4)空港到着後,移動手段について困った場合には,各ターミナルの到着ロビーにある「Welcome Center(地上交通案内所)」に直接赴いて相談しましょう。
    (5)万が一,乗車した車両が白タクであると判明した場合,車内で支払いを拒むなど抵抗することで身体に危険が及ぶ可能性もあることに留意してください。
    (6)白タクに乗車してしまった場合には,運転者や同乗者(共犯の可能性がある)や車両の特徴を控えておきましょう(可能であれば,携帯電話のカメラ機能を利用して撮影する)。
    (7)乗車した際に書類への署名を求められても内容が分からない場合には容易に応じないようにしましょう(白タクの場合には,支払契約書など後に違法性を問われないような書類に署名させることもあります)。
    (8)実際に法外な料金を要求された場合には,「現金がなく,お金を下ろす必要がある」などと言って車外に出られる状況を作り,車を降りたら,警察を呼んだり,大声を上げるなどして周囲の人に助けを求めましょう。
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