メロンによる食中毒発生のお知らせ
2011年9月29日
米国疾病対策センター(CDC)は9月27日、リステリア菌に汚染されたメロンによって
この7月から9月までの間に全米(合計18週)で72人の感染者と13人の死亡が確認されたと発表しました。
http://www.cdc.gov/listeria/outbreaks/cantaloupes-jensen-farms/092711/index.html#introduction http://www.fda.gov/Food/FoodSafety/CORENetwork/ucm272372.htm
感染者はカリフォルニア(1)コロラド(15)フロリダ(1)イリノイ(1)インディアナ(2)カンサス(5)メリーランド(1)ミズーリ(1)モンタナ(1)ネブラスカ(6)ニューメキシコ(10)ノースダコダ(1)オクラホマ(1)テキサス(14)バージニア(1)ウエストバージニア(1)ウイスコンシン(2)ワイオミング(1)です。死者はコロラド(2)カンサス(1)メリーランド(1)ミズーリ(1)ネブラスカ(1)ニューメキシコ(4)オクラホマ(1)テキサス(2)となっています。患者は35歳から96歳まで、平均78歳で大半のかたが60歳以上です。
CDCとFDAは、調査によれば感染源はJensen Farmsのコロラド、グラナダ産のロッキーフォードブランドであり、7月29日から9月10日までニューヨーク、ニュージャージー州にも出荷されていますが、業者はすでに回収しているとしています。
リステリアは自然界に広く分布し、人獣共通感染症菌であり、食品を介して人に感染するとされています。CDCによれば米国では毎年800人程度の感染者が報告されているようです。未殺菌乳、ナチュラルチーズ、野菜、食肉加工品などが感染源となりえます。本菌の発育温度は0〜45度と広く、冷蔵庫の中でも増殖できる特徴があります。感染すると、比較的長い潜伏期(3〜70日)を経て、症状は38〜39度の発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢などが出現しますが、健康な成人では無症状で経過することも多いようです。重症化すると髄膜炎や敗血症を引き起こし意識障害や痙攣が起こる場合もあるのでハイリスク者は注意する必要があります。ハイリスク者には、高齢者、免疫機能の低下した方、妊婦、新生児などが含まれます。
CDC,FDAは特にハイリスク者には、Jensen Farmsのロッキーフォードメロンは食さないようにと勧告しています。今回食して何も症状の出なかった方や健康な方も、リスクを回避するためには食さないよう勧告しています。この食品の食後、何らかの症状がある方は、直ちに医師にご相談ください。汚染された食品を食後2ヶ月まではリステリア症を発症する可能性があります。
一般的なリステリア感染に対する予防には以下を励行してください。
・ 牛、豚、鳥などの生肉は内部の温度を考慮してしっかりと調理してください
・ 果物や野菜は流水でよく洗ってください
・ 調理していない肉類は野菜や調理済みの食品と接触しないようにしてください
・ 未殺菌乳や未殺菌乳を含む食品は食さないでください
・ 食品を扱うときには手、包丁、調理台、まな板などはよく洗ってください
・ 生鮮食品や調理済みの食品はできるだけ早く食してください
CDCのリステリアのサイト
ハイリスク者の予防や注意がみられます
http://www.cdc.gov/listeria/
国立感染症研究所感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g1/k01_4.html