在留邦人の皆様
平成25年10月16日
在ニューヨーク日本国総領事館
※本メールは緊急情報ではありませんが、今後、メールマガジンとして『 パークアベニュー299 』の名称で皆様に情報を発信させて頂きます。
パークアベニュー299 第3号
~領事部より~
● 海外旅行保険のお勧め
外務省では海外に出かける方に海外旅行保険の加入を強くお勧めしています。
自分の身は自分で守るという意識は海外にいる場合には特に必要で、保険に加入することがまさに自分の身を自分で守ること、さらにはご家族の負担の軽減につながります。
緊急事態は正に突然発生しますし、発生したらすぐに身体のこと、お金のことが絡んできますので、時に不安にかられます。海外ではお金が優先される場合もあり、保険に加入するということは、安心をお金で買うということにつながります。
海外で日本人が関係する事故などがあった場合、外務省や在外公館の領事はご本人や家族に保険加入の有無をお聞することがあります。早い段階で保険の会社名や内容が分かるとその後の展開がとてもスムーズになります。
急病や事故に遭い、救急で搬送されても、お金を払えるという確実な保障がないと治療が限定的になったりすることもあり得ます。また、日本や先進国への移送が必要な場合もありますが、移送費はとても高額です。この高額の移送費や家族が日本から来る際の渡航費も保険でカバーされることがあります。
このように、保険に加入しているかどうかで治療予定や搬送先等が左右されること、もしくは緊急対応自体が保留となってしまうことがあり得ます。
先日、保険関係の方とお話する機会がありました。その方は次のように仰っていました。
「アメリカに来るのであれば疾病・傷害治療補償は最低1000万円あった方がいいでしょう。なお、最近、高齢者の旅行者が増えていますが、高齢者の場合は治療費も高額になることが多いので、疾病・傷害治療保障が無制限のものが安心です。また、海外旅行保険は損害保険なので、旅行中に病気が発症した場合でも、治療の内容によってはすべてがカバーされるわけではなく、場合によっては個人負担になることもあります。クリニックなどで、保険でカバーできますよと言われても、どこまでカバーするかは保険会社が決めることなので、治療を受ける際にはおおよその治療内容と必要経費を聞き、特に高額になる場合には保険会社に事前に相談した方が良いかもしれません。」
最近はクレジットカードに海外旅行保険が付保されることが増えていて、この保険があるからと海外旅行保険に加入しないままの方がおられます。以前、このようなカード保険業界の人と話したことがありますが、この保険は傷害死亡保険がメインで、疾病治療補償は200万円程度のことが多いとのことでした。アメリカの医療費は高額ですから、カードの保険だけだといざというとき足りず、自己負担が生じるかもしれません。ご自身のカードの保険の内容を十分吟味するとともに、アメリカの医療費が高額であるということを認識し、保険の加入の要否を検討いただきたいと思います。
過去に中米のある国において、交通事故で大ケガをし、現地での治療が困難になった方がおられました。この方は保険には加入しておらず、アメリカに行って治療を受けるか、日本に移送するという方法が考えられましたが、いずれもかなりの高額になることが予想されました。最終的に日本に移送されましたが、チャーター機の費用などで1500万円近い金額をご家族が負担することとなりました。
転ばぬ先の杖という諺もありますように、日本から出張に来る同僚の方、遊びに来る家族、友人、知人の方などがおられましたら、どうぞ海外旅行保険への加入をお勧めください。また、いざというときのために、保険証書のコピーをご家族など誰かに預けておくとともに、ご自身が持っているクレジットカードに海外旅行保険が付保されているかどうか、付保されている場合にはその内容を家族などに伝えておかれることをお勧めします。
● メールで安全情報が?
外務省で出している危険情報をご存じでしょうか。
外務省では、スポット情報・広域情報・危険情報などの治安に関する情報を海外安全ホームページに掲載していますが、こられの情報をメールでリアルタイムに受信することができるサービスを今年の3月から始めました。
● ニューヨークシティマラソンにおける警備強化について
毎年11月第1日曜日に開催されているニューヨークシティマラソンは,昨2012年はハリケーン「サンディ」の影響を受けて中止となりましたが,本年は11月3日(日)に開催される予定です。このマラソンは世界的にも歴史のあるマラソン大会の1つで,アマチュアから名立たるプロのランナーまで3万数千人が参加し,多くの日本人ランナーも出場しています。まずは,今回の大会に参加される日本人ランナーの皆さまには,日頃の練習の成果を十分に発揮され,各自の目標に向かってご健闘されることをお祈り申し上げます。
マラソン大会を始めとするスポーツ大会は平和的に開催されるべきものでありますが,本年4月に開催されたボストンマラソンではゴール付近で爆発事件が発生し,3名の尊い命が奪われ,多数の方が負傷したことは皆さまの記憶にも新しいことと思います。本年のニューヨークシティマラソンでは,ボストンマラソンにおける爆発事件発生を受け,警備体制を強化すると主催者側が発表しています。競技中はもちろんのこと,出場ランナー以外の観客が参加する各種イベントでも所持品のセキュリティチェックが強化されるため,主催者側は各自の携行品をハンドバック以下の大きさのものを1つにするよう推奨しています。詳しくは,以下の主催者ウェブサイトをご確認ください。
- ニューヨークシティマラソン主催者ウェブサイト
http://www.ingnycmarathon.org/entrantinfo/security/index.htm
なお,日頃からの留意点として,万一不測の事態に遭遇した際には、以下の点を心掛けてください。
○ 不審物を発見した場合、「触らない、踏まない、蹴飛ばさない」を遵守し、すぐにその場を離れ、警察等関係機関(セキュリティ関係者)へ通報する。
○ 不審物が小さくても決して軽視せず避難する。
○ 身近で爆発音を聞いたら、まずは落ち着いて姿勢を低くして周囲の状況を確認後、安全な場所へ避難する。第一の爆発をおとりにして同じ場所又は近くの場所で第二の爆発が起こる可能性もあるので、決して爆発現場へは近づかない。
○ 広場や公園などの見通しのきく場所に避難し、雑踏には逃げ込まない。なお,ビル街での爆発では、ビルのガラスが割れてガラス片が落下してくることがありますので、建物から離れたり,ひさし等の下に隠れるようにする。
○ 家族や友人、職場の同僚等に外出(旅行)の日程,連絡先を必ず伝えておくとともに,緊急事態に必要となる連絡先は自身の携帯電話等に登録しておく。
● ハロウィーンにおける安全アドバイス
本年もハロウィーンが近づき,特にお子様たちは楽しみにしていることと思います。楽しいハロウィーンにするためにもいろいろと注意が必要です。ニューヨーク市警(NYPD)は,以下のとおり,ハロウィーンにおける安全アドバイスを発出していますのでご参照ください。また,皆さまの在留地や滞在先の自治体によって,「トリック・オア・トリート(Trick-or-Treat)(お菓子ちょうだい:くれないといたずらするよ)」の時間を指定している場合もあるようですので,各自治体ホームページ,お子様の同級生のご父兄やご近所などから情報収集に努め,お子様たちが思わぬ事故に巻き込まれることがないよう十分ご注意の上,楽しいハロウィーンをお過ごしください。
【ニューヨーク市警 ハロウィーン(トリック・オア・トリート)における安全アドバイス(Trick or Treat: Safety Tips for Halloween)】
1 ハロウィーンは、子供たちにとり最も楽しいイベントのひとつですが,親がきちんと監督しないと子供たちが危険な目に遭う恐れがあります。子供たちが,「トリック・オア・トリート」を行う際は,例えグループで行動する場合でも,常に親が監督すべきです。親及び保護者は、次のことに注意してください。
(1)子供がもらったお菓子等は食べる前に必ず確認しましょう。開封されたものやラップされていないお菓子等は決して食べさせてはいけません。
(2)コスチュームは不燃性のもので,子供がつまずかずに歩ける長さのものにしましょう。マスクは,子供の目,耳が大きく開いたもので,邪魔にならないものにしましょう。
(3)フェイス・ペイントやお化粧をする場合は、有毒なものでないことを確認しましょう。
(4)道路を歩行中や交差点を横断する際は,十分注意しましょう。特に夕暮れ時や日没後は気をつけましょう。
(5)夜間に出かける際は,子供に懐中電灯を持たせましょう。また,服装は光に反射するものか明るい色のものを着用させましょう。
(6)万一のため,小さな子供には,緊急連絡先を記載したものを衣服の中につけておきましょう。
(7)ただし,子供の名前を衣服やアクセサリーに目立つよう(外から見えるよう)につけてはいけません。不審者が子供の名前を呼んで,知り合いのように装う恐れがあります。
(8)子供には,常日頃から,不審者・暗がり・知らない人や家には注意し,近づかないよう用心させましょう。
2 お菓子等はきちんと包装されている場合のみ食べさせるようにしてください。親が、お菓子等の包装がオリジナルのもので開封されていないこと,飲み物の蓋が開いていないこと,また,果物やホームメイドのものでないことを確認することで,子供を守ることができます。
3 お菓子等を食べた後にお菓子等が変造されていたと思われる場合,味がおかしかった場合,子供の様子がおかしい場合は,親または保護者は,ニューヨーク市保健局ポイズン・コントロール・センターまで連絡してください。同センターは年中無休です。電話番号は212-764-7667です。また,1-800-222-1222の番号へ連絡すると最寄りのセンターへつながります。緊急の場合は,911へ連絡してください。