在留邦人の皆様
平成25年11月19日
在ニューヨーク日本国総領事館
※本メールは緊急情報ではありませんが、今後、メールマガジンとして『 パークアベニュー299 』の名称で皆様に情報を発信させて頂きます。
パークアベニュー299 第4号
~領事部より~
● 領事アンケート調査(11月12日~25日まで実施中)
毎年秋に外務省では領事業務に関するアンケート調査を行っています。今年も11月12日から2週間の予定で行っています。以下のアドレスからアンケートへの回答ができますので、ご協力よろしくお願いいたします。
https://www.deliver.mofa.go.jp/m?f=383
昨年のアンケートでいただいた質問や意見について、すべての質問や意見にお応えすることはできませんが、何回かに分けて説明していきたいと思います。
(1) 場所が分かりづらい
総領事館は商業ビルの一部に入居しており、店子の一つです。ビルの大家は警備上の問題などがあるとして、店子に看板や国旗を掲げたりすることを認めていません。当館でも皆様の目印になるように国旗を掲揚したいところなのですが、残念ながら認められていないのが現状です。その代わりというわけでもないですが、ビルの受付に日本国旗のついた案内プレートを置いています。初めて来られた方は分かりづらいと思われ、皆様にはご不便をおかけしますが、このような事情があることをご理解願います。
(2) 管轄
当館の管轄地に住んでいるが、より近くの他の大使館、総領事館を利用することはできないかという質問がありました。結論を述べますと、一部業務を除き利用できます。
在外公館は日本の法律で管轄地が決められています。当館の管轄地はニューヨーク州を初めとする6州(ニューヨーク州、ウェストバージニア州、コネチカット州(フェアフィールド郡)、デラウェア州、ニュージャージー州、ペンシルバニア州、メリーランド州)とプエルトリコ、バージン諸島となっています。この管轄地は米国政府にも届け出ています。他方、領事サービス(旅券関係、証明書関係など)については、基本的にどこの公館でも利用できます(ただし、法律で取り扱い公館が定められている在外選挙登録関係及び在留届を除きます。)。「基本的に」とあるのは、出生証明書などの外国文書の証明書については、米国側に管轄を届け出ている関係から、どこに提出するものかによって変わってくる可能性があるからです。例えば、ボストン総領事館管轄地内の在留邦人がマサチューセッツ州の機関に提出する証明書をニューヨーク総領事館で作成し、これを提出した場合、提出先が問題ないとするのであればいいのですが、そこで拒否される場合があり得ます。これは提出先(書類を受け取る側)が決めることなので、当館としては何とも言えません。従いまして、受け取る側がどこの総領事館が作成した書類でもいいということであれば作成すること自体は可能です。また、在留届が関係する在留届出済証明、印鑑証明(実印証明)は在留届の提出先公館である管轄公館のみで取り扱います。
● 二重国籍説明会その後
本メルマガ第2号で二重国籍説明会の案内を掲載しました。日系人会とジャムズネット共催のシニアウィークでの説明会では希望者が定員を超えたため、2回に分けて行うこととなり、計120人近い方が来られました。また、ニュージャージー補習校の父母の会の依頼により、同校でも2回にわたり説明会を行い、80人近い方が来られました。
今回の説明会を振り返ると二重国籍ということがあまり理解されていない方がいることも分かりました。日本人で二重国籍になるのは、出生、婚姻、養子縁組などにより日本以外の国籍が自動的に取得できた方であり、外国に帰化(市民権を取得)した方は二重国籍にはなりません。国籍法第11条で、自己の志望により外国籍を取得した人は日本国籍を失うとなっており、帰化した方は日本国籍を失いますので二重国籍ではなく、帰化した国の国籍だけになります。親子がともに帰化した場合も、子は自己の志望により外国籍を取得したことになり、日本国籍を失います。帰化前に日本旅券を持っていた場合、帰化と同時に日本旅券は失効しますので、この失効した旅券を使うと罪に問われることもあります。帰化した場合には国籍喪失届を提出し、旅券をVOID処理しなければなりませんのでご注意ください。
在外公館は在留邦人の皆様のためにあるサービス機関です。二重国籍などの戸籍・国籍や旅券、ハーグ条約に関することなど、領事関係のことで分からないことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
今回の説明会で、総領事館に相談しない理由として、知られたくない、知られると国籍を剥奪されると思っていた方がおられましたが、戸籍や国籍は基本的に当事者による届出によることとなっていますので、総領事館が本人に成り代わって届出を出すことはありません。
なお、窓口において国籍選択届などの必要な届出をされていない方がいる場合には、届け出ることになっている旨の説明を行います。これは法律や規則の説明であって、我々に課せられた任務ですので説明しますが、届出を強要するものでも、強制するものでもありませんのでご理解願います。届出は本人の意志で行っていただくものです。
● 在留邦人数と在留届
10月21日に平成24年10月1日現在の在留邦人統計が発表になりました。在ニューヨーク総領事館関係では、在留邦人数は95143人(長期滞在者72328人、永住者22185人)でした。
この在留邦人数は数ある在外公館(大使館、総領事館)の中で2番目に位置しています。トップはロスアンゼルス総領事館の98266人。3番目は上海総領事館78862人でした。都市別で見ますと、ロスアンゼルス、上海の次にニューヨーク都市圏が続いています。
さて、本メルマガ第1号で在留邦人数の移り変わりについて書きましたが、その際、在留邦人数は在留届に基づいている数字である旨説明しました。当館の管轄地に転入された方で在留届を提出していない方はこの数には含まれません。逆に、提出したもののその後管轄外に転出されても在留届がそのままの人は含まれてしまいます。
出さなければならない方が出しておらず、いない方の在留届がそのままということでは実態とかけ離れてしまいます。実態に近づけるためには皆様に提出や変更届を励行していただく以外に方法はありませんので、よろしくお願いします。
在留届の提出は法律上の義務とされていますので、当館管轄地(ニューヨーク州、ウェストバージニア州、コネチカット州(フェアフィールド郡)、デラウェア州、ニュージャージー州、ペンシルバニア州、メリーランド州、プエルトリコ、バージン諸島)に転入された方は忘れないように在留届の提出をお願いします。また、管轄地から管轄地外へ転出された方は転出届を提出いただくようお願いします。管轄内でも住所や家族の情報が変更になった際には変更届を提出いただきますようお願いします。
在留届は外務省のHPのORRネットを通じて届けることもできますのでご利用ください。
● 頻発する銃撃事件
11月4日午後9時過ぎ、NJ州パラマスにある大規模なショッピングセンターで銃撃事件が発生しました。幸い、死傷者はいなかったのですが、多くの銃器が出回っているアメリカではいつどこで同様の事件が発生してもおかしくありません。マンハッタンのブライアントパークでも銃撃事件があり負傷者がでました。
このような事件の発生を予測することは不可能です。従いまして、いつ自分がこのような事件に遭遇するから判らないとの心構えを持つことと、どのように対処すればいいかを考え、シミュレーションしておくことは自分の身を守るうえでとても大事です。以下の対処ポイントを念頭に実際に体を動かしてみてはどうでしょうか。また、お子さんにも説明し、落ち着いて行動するよう教えていただくことは重要です。
【対処ポイント】
○ まず、銃声が聞こえたら身を低くし、可能であれば、一番近いコンクリート製の柱、壁等の裏に移動しましょう(可能な限り姿勢を低く、露出を少なくします。)
○ 銃声の方向を確認し、可能な限り遠くへ避難しましょう。(周囲の人たち、特に店の警備員や従業員の動きに注視しましょう。)
○ 店側の指示に従いましょう。(大型店舗の場合、定期的な対処訓練を実施しており、安全な非常口から避難誘導する手順となっています。)
○ 逃げられない場合は、できるだけ店の従業員と一緒に店舗内で身を隠し、救助を待ちましょう。(店の従業員は情報収集をするので、指示に従いましょう。)
○ 逃げ遅れて、かつ孤立した場合は、店舗奥の事務所内等に身を隠し、内側からドアを施錠して照明を消しましょう。可能な限り911等に架電して自分の居場所を外部に知らせましょう。
○ 警察の救助班は一部屋ずつ「犯人がいる前提で捜索」します。救助班が近くにきても不用意に飛び出すことなく、自分の居場所を「声("Help")」で知らせましょう。|
○ 建物外に避難する際、警察から両手を挙げて出るよう指示されます(犯人に間違われないため)。荷物は持たず、警察の指示に従って落ち着いて避難しましょう。
○ 最後に、次の三つのポイントを意識しましょう。
「あわてない」「逃げられれば早期に逃げる」「逃げられなければ身を隠す」
● 秋の一日領事館
10月5日から11月2日まで管内各地で一日領事館を開催しました。例年実施しているフィラデルフィア、バッファロー、ピッツバーグでは昨年秋の二倍の件数を取り扱うことができ、プリンストン市においても初めて開催することができました。一日領事館世話人をはじめ、受入れ団体の皆様のご尽力に改めてお礼申し上げます。
また、初めて開催したニュージャージー補習授業校では、校長先生、教頭先生、事務長、父母会会長はじめ父母会の皆様からご支援をいただき、予想を遙かに上回る方々が来訪されました。会場となった教室の入り口には大きな手作りの案内板を掲げていただき、とても印象深い開催となりました。
● 年末年始の領事窓口
当館は、本年12月28日(土)から明年1月5日(日)まで休館となります。旅券、各種証明・届出等の手続きが必要な方は早めの手続きをお願いします。