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海外安全対策連絡協議会(第28回)

2010年4月28日

安全対策協議会とは
当地の治安やテロ情勢及び邦人の安全対策等について情報交換を行うため設置され、当地日系団体、日系メディア、旅行業界など関係者が参加して、定期的に会合が開催されています。

篠原首席領事開会挨拶

冒頭、篠原首席領事より以下の開会の挨拶がありました。

  1. 皆さん、こんにちは。沼田首席領事の後任の篠原守です。ニューヨークへの異動が決まった時、ニューヨークで何をすればよいか考えました。自分なりの結論というのは、領事事務に積極的に取り組もうということです。私が着任する以前から、ニューヨーク総領事館は、昼休みの窓口オープンであるとか、窓口でのさわやか行政サービス等を実施しておりますが、今後とも引き続き努力する所存ですので、皆様からのご指導・ご鞭撻をお願いします。

  2. 極めて広範囲の業務を含んでいる領事事務ですが、その中でも、海外における邦人の生命及び身体の保護、その他の安全に関することは最も重要です。安全の確保には備えが重要であり、安全を脅かす脅威とは何か、そして何があるか、脅威を避けるために予めできることはないか、あるいは実際不幸にして何かが起こった時に、自分や家族は何をすればよいのか等々、常日頃から頭の整理をしておくことが必要であると思います。本日の海外安全対策連絡協議会では、総領事館からテロをはじめとする、いくつかの脅威についてご説明させていただくことを予定しておりますが、総領事館員が、認識していない脅威もあるのではないかと思っております。もし、皆様の中で、そのような脅威に関してご意見、ご認識があれば、是非この場でシェアしていただきたいと思います。

当地の治安情勢とテロ情報について

当館警備担当領事より、当地の治安情勢とテロ情報に関して以下の説明がありました。

  1. 治安情勢に関してですが、ニューヨーク市警の昨年の犯罪統計によりますと、約10万6千件あり、2008年の統計と比べて約10%減少しています。 また、殺人件数ですが、2009年と過去最悪の殺人事件発生率だった1999年を比較すると、約80%減少しており、ニューヨークというのはアメリカの主要都市の中で、最も安全な都市といわれています。ただ、今年に入って犯罪が増えており、殺人事件は昨年同期と比べて20%増加しており、銃による犯罪も、昨年同期と比べて約16%増えています。犯罪の増加傾向には景気の低迷が影響いているといわれています。

  2. 以前に比べて安全になったといえ、年間約500件の殺人事件が発生しているニューヨークは、日本に比べてまだまだ安全の確保に気を配る必要があり、自分の身は自分で守るという意識を持つことが非常に重要です。街には昼間の顔と夜の顔があり、深夜未明にかけての重大事件の発生が顕著になっているのでご注意下さい。

  3. 当館では、殺人・強盗・傷害に関連した主要報道等を取りまとめたデータを集計し、「ニューヨーク市での事件発生状況」をホームページに掲載しております。これはニューヨーク市の地図上に、事件の日時、場所、概要が掲載されていますので、在留邦人の方に活用していただきたいと思います。

  4. 次に、テロ情報についてですが、アルカイダを始めとするイスラム過激派は、今でもアメリカ本土に対するテロ攻撃を企んでおります。昨年の9月、9/11メモリアルデーにあわせた、地下鉄自爆テロ未遂や、12月25日のデトロイト上空で発生したノースウエスト航空機機内における自爆テロ未遂事件の2件は、アルカイダもしくはアルカイダに影響されたイスラム過激派の動きが関係しているといわれています。

  5. 現在、国土安全保障省がテロの脅威度についてレベルを高いほうから、赤・オレンジ・黄色・青・緑と設定しています。アメリカ全土は黄色ですが、ニューヨーク市に限っては、上から2番目のオレンジとなっており、テロの脅威がアメリカ国内で一番高い場所です。いかにして、テロから自分を守るかというのは非常に難しいことであり、組織的に計画されたこのようなテロから身を守るのは非常に難しいことですが、テロ関連情報は、報道で注意喚起が行われることがありますので、報道を注意してフォローするのも大切です。

  6. テロの手口の一つですが、小規模な爆発があって、治安機関関係者や野次馬が集まり、そこで大きな爆発が発生するという時間差を利用したテロも、過去に何回も発生しております。ですから、何か発生している現場があったら、そこに近づかず、遠ざかることを心がけていただきたいと思います。余談ですが、NYPDの知人は、毎年9月11日が近づくと、なるべく公共交通機関である地下鉄には乗らず、バスを利用するようにしていると言っていました。(NYPDとしてそのような予防的な措置をとるよう勧めているわけではありませんが)9月の地下鉄自爆テロ未遂等を教訓に各々が具体的な対策を講ずるのも大切です。

最近の邦人被害事案について

当館邦人援護担当領事より最近の邦人被害事案について以下の説明がありました。

  1. 当館では皆様のような在留邦人や観光客の日本人の皆様から、犯罪被害ということだけではなく、色々なお困りごと、トラブルなどのご相談を受けています。その数(援護件数)は、2008年には679件、昨年2009年は、669件ありました。週末も含めて毎日約2件新しい援護案件が発生していることとなり、全世界の大使館及び総領事館の中でも、大体トップ5に入る数となっております。では、どのようなケースが発生しているか内訳に関して簡単にご説明したいと思います。

  2. 圧倒的に多いのは窃盗被害で、明らかに被害に遭ったと分かるものはもちろん、気がついたら紛失していたというケースも含めますと、2008年は全体の約46%、2009年は約40%を占めており、半数近い割合になっております。窃盗被害のほとんどは、スリと置き引きで、場所的にはホテルのロビーやレストランで多く発生しており、その他にも屋外や空港でも発生しています。よくあるケースをご紹介しますと、ホテルのロビーにあるソファーやレストランの座席に荷物を置いたまま席を外して、戻ってきたら荷物が置き引きされていたというケースが多くあります。多くの場合、ホテルのロビーとかフードコートがパブリックスペースであるという認識が低いため発生しているものです。 他には、バックパック形式の背中に背負う形のカバンに入れていた財布等が盗まれてしまうケースや、高級スーパーマーケットで買い物をしている際にスリに遭った被害もありました。

  3. 次に多いケースとして詐欺被害があります。件数は窃盗被害に比べかなり少なくなりますが、2008年は13件、2009年は15件で、月に1件程度発生しています。有名な詐欺被害として、サングラス詐欺や白タク詐欺がありますが、サングラス詐欺は道を歩いている人の足下へ犯人が壊れたサングラスをわざと落とし、サングラスを壊したといって、弁償代として金銭を要求するものです。こういった詐欺があるという知識を持っていることがとても大切で、このような事件に巻き込まれた時は、毅然とした態度で無視をし、あまりしつこいようであれば、近くの警察官に助けを求めたり、お店があればそこに逃げ込んでもよいと思います。

  4. 白タク詐欺に関しては、空港で発生しており、旅行者が飛行機から降りてきて、タクシーとかシャトルを探していると、犯人が巧みに近づいてきて、白タクに乗せ、降車時に法外な料金を要求するというものです。中には、事前に白タク被害のことを私どものホームページ等でご存知だったにもかかわらず、案内されている際に怪しいなと思いつつ乗ってしまったというケースもありました。怪しいと思ったら思いとどまる。基本的なところで、知らない人には安易についていかないということが大事かと思います。

  5. その他の犯罪被害としては、傷害・暴行被害が2008年には4件あり、2009年には増えて7件発生しております。当館の取り扱った中では、幸い殺害とか誘拐等の重大被害には遭った日本人のケースはありませんでした。

  6. 犯罪被害以外のケースでどのようなものがあるか紹介しますと、精神障害事案、安否照会、その他生活相談等があります。件数を簡単に申しますと、精神障害は2008年に52件、2009年には43件あり、安否照会は、2008年には80件でしたが、2009年は141件あり、80%以上の増加率となりました。安否照会というのはどのようなものかと申しますと、多くがニューヨークに観光に来られたお子さんが到着後、全く親に連絡を取らないとか、留学をしているお子さんが、親にしばらく連絡を取らないため、親御さんが心配されて、何か事件に遭っていないかと不安になって安否の照会を当館へされるものです。今のところ、このような場合で実際に被害に遭っているケースはありません。

  7. その他生活相談については、2008年は100件、2009年には84件ありました。ご参考までに、具体的な生活相談としましては、最近の不景気を反映してか、職場での給料のトラブル、アパートの家賃のトラブルや、就職を世話して欲しい等の相談がありました。その他、アメリカでの生活における愚痴を淡々とこぼし続ける方もいて、当方としてはひたすら聞き役に回っているということもあります。

  8. ここまで、犯罪被害及びその他の援護案件に関してお話してきましたが、犯罪加害事案、つまり犯罪の加害者になってしまったケースもあり、2008年には10件、2009年には14件発生しています。内容は、軽犯罪、窃盗、交通違反の他、数は少ないですが傷害罪のケースもありました。犯罪被害に関連して、改訂版の「ニューヨーク安全マニュアル」を参照していただきたいのですが、今回、「法規・習慣等の違いによるトラブル等」を新しく追加しました。件数としては少ないのですが、「知らなかった」ということで、犯罪加害者になってしまうケースがあります。当館で実際取り扱ったケースを3種類ご紹介します。1番目は、「公共の場所における飲酒及び泥酔」です。アメリカでは公共の場所における飲酒が禁じられています。日本では、道端や公園で飲酒することが日常的に行われていますが、アメリカでは違反となります。また、その場で飲酒していなくても、公共の場所で泥酔して嘔吐したりしますと、これも酩酊罪ということで、違反となり、逮捕されることがあります。アメリカでは、公共の場所で酔っ払っているだけで犯罪となりますので、十分に注意していただきたいと思います。逮捕され、違反切符を切られて、総領事館に相談に来られた方が、何が起こったのかよく分からないということで、当方から状況を説明しますと、「そんなの知らなかった」ということがよくあります。「知らなかった」ということは理由になりませんので、気をつけていただきたいと思います。

  9. 続いて、家庭内暴力と児童虐待等の虐待の加害者になってしまったケースをご紹介します。家庭内暴力では、夫が妻に暴力を振るい、妻が警察に通報して、夫が逮捕されたケースもありますが、大声で夫婦喧嘩をして、近所の住民が警察に通報して夫が逮捕されたケースがありました。このケースでは、夫婦間の口喧嘩ですので、2人ともまさか警察が介入してくるとは想像もせず、夫が警察官に逮捕された際にも、妻が泣いて「逮捕しないでください」とお願いしましたが、警察官は一切聞き入れず、結局連行されてしまいました。不用意に大声をあげたりしますと、思わぬ結果を招きかねませんので、十分ご注意いただきたいと思います。

  10. 続いて、児童虐待に関連した「知らなかった」の典型的なケースが発生しておりますので、いくつかご紹介したいと思います。

    (イ)車内に子供を放置したケース
    母親が買い物をするために、子供を車に乗せて買い物に行った際、店の前に路上駐車をして、15分ほど子供を一人で車内に残しました。そうしましたら、子供が寂しがって泣いてしまい、それを目撃した通行人がその場で警察に通報して、警察官が現場に急行して、母親がネグレクトという児童虐待として逮捕されたケースがありました。
    (ロ)屋外に子供を締め出したケース
    子供が宿題をやらずにテレビゲームばかりしていたので、母親がしつけのつもりで、家のバルコニーに子供を出して、中から鍵を掛けました。母親はもちろん虐待の意思はなく、しつけのために行ったのですが、やはり、バルコニーで泣いている子供を目撃した通行人が警察に通報し、警察官が自宅に急行し、その場で母親が逮捕されました。
    (ハ)子供のお風呂上りの写真のケース
    親が子供のお風呂上りの写真を撮影して、近くのファーマシーに現像に出したところ、店員が警察に通報し、親御さんが警察に逮捕されました。

    いずれのケースも裁判が行われ、皆さん悪気はなかったのですが、関係者全員がつらい思いをされました。日本ではこんなの犯罪ではないとか知らなかったとか、そういうことは理由になりませんので、米国に滞在している以上は、当地の規則に従うことになります。私どもも引き続きこの件に関しては情報提供を続けていきたいと思っておりますが、皆様におかれましても、情報提供のご協力をお願いしたいと思います。

当地の医療事情について

当館医務官より、当地の医療事情について以下の説明がありました。

  1. パンデミックインフルエンザから、1年が経過したということで、振り返りの作業を行いたいと思います。今回使用する資料及び情報に関しては、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部の資料から抜粋しておりますのでご参照ください。この話題に移る前に、当地のインフルエンザの状況を説明しますと、ニューヨークの方々は、ニューヨーク市の関係諸機関からの情報もあって上手く落ち着いて対処されていたと思います。日本は既に沈静化されているのですが、実は、今もパンデミックは続いています。現在、中米及び冬に移る南半球のほうが、第二波を迎えつつあると言われていますが、北半球側の状況を見て、それほど慌てて行動はしていないというのが現状です。米州では流行地域はなく、ニューハンプシャー州、バーモント州あたりが散発地域とされています。

  2. インフルエンザ関係の報道がいろいろとされており、日本では第二波がありませんでしたので、冬場にまた流行りだすのではないかとか言われておりますが、その根拠は特にありません。当初心配されておりましたH5N1インフルエンザに関してもまだくすぶっており、東南アジアのベトナムあたりではある程度起こっていますが、こういった強毒型がパンデミックを起こすかどうか、今のところは何も分かっていません。

  3. 諸外国の状況としては、今のアメリカにおけるインフルエンザの流行分布は、流行値より少し下回っている状況になっています(図1参照)。印象として日本は新型インフルエンザの対策に失敗し、米国は成功したとよく言われているのですが、「重症度の各国比較」(図2参照)や「新型インフルエンザによる死亡率の各国比較」(図3参照)を参照すると結果は明らかで、日本は死亡率も感染率も非常に低く、結果は成功しているのですが、特に日本国内で対策に失敗したという印象が強く持たれています。米国は対策に失敗したとは言いませんが、日本ほど成功していないという状況にあります。このような印象の違いが発生してしまった原因の一つとして、リスクコミュニケーションと呼ばれているコミュニケーションが上手く行われておらず、正確な情報が上手く伝わっていなかったという反省点が挙がっています。

  4. 一連のインフルエンザの報道は、衝撃的な映像や情報と共に、どちらかというと重要性の低い情報だけが広まり、実際の新型インフルエンザに関する対処法等の重要な情報が伝わっていなかった点が問題であったと思います。この件に関して、よく政府が批判を受けているのですが、厚生労働省はかなり早い時期で、全ての情報をホームページで公開していましたので、国側も報道関係者も自治体もコミュニケーションが上手く行われていなかったのが現状だと思います。しかし、現在これらの反省点を公にし、それを改善するため話し合いが行われていることは、よい傾向なのでご紹介させていただきました。

  5. 目を当地の方に戻しますと、私どもでインフルエンザが流行していた頃は、オープンに質問等を受けつけておりました。多い時には1日20件という日もありましたが、月に平均40件の相談が寄せられました。日本での報道がされますと、こちらにも多く電話がかかってくるというような傾向にありました。質問内容としては、企業関係者からは、日本の本社から対策を命じられているが、現地の状況とのギャップがあるため、どのようにギャップを埋めればよいのかという質問が多かったです。個人の方からは、こちらの医療機関でインフルエンザと診断されても、家で休養するよう言われただけで、他に何も処置がなかった点に関してよく電話がありました。これに関しては、日本での医療の習慣の違いから発生しているのだと思いますが、日本も昔は感染を防ぐために、インフルエンザと診断を受けたら、家で休養するよう指示しておりました。しかし、7年ぐらい前からタミルフルですとかリレンザという薬ができたり、インフルエンザの抗体を調べることが即座にできるようになり、インフルエンザになったら病院に行くという対処に変わりました。その医療習慣が残っているので、日本人はインフルエンザになったら、病院にかかれるものだと、病院がウエルカムしてくれるのだと思っているのだと思います。そのような対処を行っているのは日本ぐらいであり、他の国ではインフルエンザといわれたら家でゆっくり休んでください、こういう症状が出て、重症化する兆しがある時だけ病院に来てくださいという説明を受けていると思います。その程度の質問で終わっておりましたので、概ねこちらの方は米国の情報で上手く対処されていたのだなという印象を持っております。

  6. 医療コミュニケーションという意味では、事実ですとか、しっかりとした正確な情報を、的確な対象に的確に届けるのがとても重要であり、そう意味では、こういった会議の集まりは非常によいと思います。それを、丁度パンデミックが起こった時期に去年も行えておりましたので、皆様方の協力に感謝する次第です。

図1: 「アメリカにおけるインフルエンザ流行分布」

参考資料1より

図2: 「重症度の各国比較」

参考資料1より

図3: 「新型インフルエンザによる死亡率の各国比較」

参考資料1より

参考資料1
 「今般の新型インフルエンザ対策について〜対策総括のために〜(資料)」(厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/dl/infu100331-02.pdf (13.3MB)

意見交換 (質疑応答)

(委員) 
在留邦人の安全を脅かす脅威に関しての情報をシェア・共有するということが大切ということを言われていましたので、情報提供したいと思います。48歳の日本人女性が10日間ほど行方不明になっていますので、何か情報があれば、グリニッチの警察に報告して欲しいとのことですので、ご協力をお願いします。
(委員)
新しいニューヨーク安全マニュアルの中で説明があった、親子の関係のトラブルに関して通報されたケースですが、裁判になったりしたケースはあるのでしょうか。また、裁判の結果はご存知ですか。
(援護担当領事)
結果から申しますと、当館が承知している全てのケースにおいては裁判が行われていましたが、基本的にはそれぞれのご家庭が弁護士をつけて、裁判に臨みますので、当館では詳しいところまでは把握していません。誤解だったということで軽く済んだ場合もありますが、重罪となったケースもあると聞いています。私の個人的な印象からは、自分が一般的に考えているよりも、こんな重い罰を与えられてしまうのかと思うケースが多いです。
(委員)
ここ数年、毎年イースターの夜にはタイムズスクエアで若者たちが暴れ出すという報道がニューヨーク・タイムズであったのですが、関連情報を把握していますか。
(警備担当領事)
今ご指摘の事件ですが、4月5日、丁度近くで国際自動車ショーというものが開催されておりました。特にイースターの夜に暴動が起こるというのではなく、毎年自動車ショーに来る若者たちが、たむろして、それが塊となり、暴動ではないですが、騒ぎを起こしたりするということを聞いています。当日は、その周辺で約50人が検挙され、3件か4件の銃撃事件があったようです。ただし、今までは、今回の様な大きなトラブルにまでは発展していなかったということですので、来年に向けて情報収集し、またこのような状況が起こりそうであれば、皆さんに注意喚起したいと思っております。
(援護担当領事)
本件に関して日本人が被害に遭ったという情報はありませんでした。
(委員)
この「ニューヨーク安全マニュアル」と「虎の巻」は、とてもよくできていますし、事件が起こる前に事前にこういう事が分かっていると防げますし、一番効果的であると思うのですが、どのようにして配布しているのでしょうか。また、このような協議会で何かご協力できる点があったら教えて下さい。
(援護担当領事)
「ニューヨーク安全マニュアル」は当館で作成しております。そして、「海外安全虎の巻」は、外務省が作成していまして、海外旅行に行く際の一般的な注意事項が書いてあります。世界共通までとは言いませんが、どこに行くのでも役に立つ基本的な情報が書いてありまして、「ニューヨーク安全マニュアル」もそれに近いものですが、当地で発生している犯罪に基づいて作成しています。配布方法ですが、まず当館の領事部の待合室に設置してご自由にお取りいただいています。また、私の方で安全対策についてお話できる機会がある時には、持参して配布しております。「ニューヨーク安全マニュアル」は当館のホームページ、「海外安全虎の巻」は外務省のホームページからダウンロードやプリントアウトが可能です。皆様におかれましても、是非宣伝していただければと思います。
(委員)
犯罪関係ではないのですが、先日アイスランドの噴火でヨーロッパ便が随分欠航しましたが、ニューヨークでは、日本からの旅行者で帰宅困難とか援護を求められたケースはあったのでしょうか?
(援護担当領事)
結果から申しますと、アイスランドの噴火の関係でご相談は一件もありませんでした。幸い日本にご帰国されるフライトというのは、私が承知している限り影響がありませんでしたので、そのまま皆さんお帰りになられたと理解しております。因みにJFK国際空港へ視察に行ったところ、空港には簡易ベッドがタコ部屋式に置いてあり、多くの旅行者が足止めされていましたが、そこには日本人の方は一人もいませんでした。アメリカン航空の職員にも日本人で困っている方がいるか聴取したところ、いないとのことでした。
(委員)
先ほど援護担当領事から2008年、2009年の日本人の被害が600件程度あると説明がありましたが、こちらは在留届を提出している方たちでしょうか、それとも、観光客も含めての数なのでしょうか。大体どれぐらいのパーセンテージが観光客なのでしょうか。
(援護担当領事)
在留邦人の方、観光客の方、不法滞在の方、日本国籍をお持ちであれば、全てご相談に乗っております。この中で、どれだけの方が観光客なのか手元に統計がありませんので、別途ご報告いたします。
(首席領事) 
2点質問があります。一つ目は、セントラルパークに行くと動物がいますが、私が途上国に勤務していた時には、狂犬病が危ないので、野生動物や放し飼いになっている動物に近づくなといわれていたのですが、アメリカの場合は安全なのかどうか。二点目は、6月から南アフリカでワールドカップが開催されますが、ニューヨークから在留邦人が観戦に行くようなツアー等があれば教えてください。
(医務官)
狂犬病に関しては、全米で毎年狂犬病の動物というのは数百件レベルで見つかっております。全く狂犬病フリーといわれている国のほうが少なく、日本はその中の一つでして、そういう意味では野生の動物に関する警戒心は低いと思います。ニューヨーク近郊では、最近では、セントラルパークでアライグマが捕獲され、狂犬病であったという事件がありました。リスを含め野生動物に近づかないというのが基本的な姿勢であると思います。
(委員)
ワールドカップのツアーに関しては承知していないので、改めて調べましてご報告させていただきます。
(領事部長)
ワールドカップに関しては、オリンピックと違いまして、熱狂的なファンの方に限って行かれるような感じがしますが、当地には中南米の方が沢山いらっしゃるので、在留邦人の方より、そういった方たちが多く行かれるのかなと思います。
(総務部長)
色々な情報にアンテナを張って、情報収集し、迅速に情報を発信することを行いたいと思います。その手段として、ホームページ及び緊急メールの手段がありますが、在留邦人の皆様には、是非緊急メールの登録をお願いしたいと思います。

 

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