

(1) 暴風雨
熱帯性低気圧により、激しい雨と風速74マイル以上の風を伴う暴風雨は、台風の「目」を中心として時計と反対周りに吹き荒れます。暴風雨の風速は155マイルを超す事もあり、何百マイルにもわたり深刻な被害を及ぼします。
暴風雨は1から5段階にわかれており、1が最も穏やかな状態を指します。3、4、5段階になると「嵐」と見なされます。
暴風雨段階表 | |||
段階 | 被害度 | 風速 | 波浪 |
1 | 最小 | 時速74〜95マイル | 4〜5フィート |
2 | 並み | 時速96〜110マイル | 6〜8フィート |
3 | 広範囲 | 時速111〜130マイル | 9〜12フィート |
4 | 極大 | 時速131〜155マイル | 13〜18フィート |
5 | 破壊的 | 時速156マイル以上 | 18フィート以上 |
暴風雨関連用語
- 暴風雨注意報(Hurricane Watch):
- 特定の区域に36時間以内に暴風雨が到達する恐れがある場合、沿岸地域に行う予報。
- 暴風雨警報(Hurricane Warning):
- 沿岸地域に24時間以内に暴風雨が到達する恐れがある旨を警告して行う予報。少なくとも時速74マイルの風速、もしくは危険な高潮の可能性がある状態を指す。
対処方法
- ラジオ、テレビ、もしくはNOAA気象ラジオの情報及び対策方法に耳を傾けましょう。
- 自己資産の目録を作りましょう。重要書類等は、安全かつ防水の行き届いた場所に保管しましょう。
- 家族に招集をかけ、何をすべきか話し合いましょう。
- 戸や窓を閉め、板張り、もしくは粘着テープで窓枠をふさぎましょう。
- 処方薬を補充し、クレジットカードと現金を確保しましょう。
- 嵐の最中にも勤務しなければならない方は、子供やお年寄り、特別な介護が必要な方の面倒を見られる大人が少なくとも一人はいることを確認しましょう。
- 布製の家具、ごみ箱や庭作業道具、プロパン・グリル、子供の玩具等、あまり丈夫でないものや軽量のものを屋内に運ぶ準備をしましょう。
- 電池、缶詰食品、応急手当グッズ、飲料水、医薬品が十分あるか確認しましょう。
- ペット対策を検討しましょう。公共の避難施設は衛生上の問題からペットを受け入れない可能性があります。詳細は近くの動物愛護協会に問い合わせましょう。
- ガス・水道・電気等の止め方をおさらいしましょう。
- ガスの元栓がどこにあるのか、冷暖房がどう動いているのか知っておくようにしましょう。
- 車に燃料を補充し、避難ルートをおさらいし、避難勧告が出る際に備えましょう。
(2)雷雨
雷雨はいつ何時でも起こり得ます。激しい雷雨は、大量の雨、あられ、激しい風、落雷、洪水等を起こします。激しい雷雨が、お住まい周辺にくる恐れがある場合は、地域のラジオやテレビに注意してください。こうした報道機関が最新の情報を提供します。
雷雨関連用語
- 雷雨注意報(Thunderstorm Watch):
- 雷雨の状況が比較的軽いものを指す。
- 雷雨警報(Thunderstorm Warning):
- 雷雨が観測されたか、レーダーが感知した状態を指す。
対処方法
- 屋内、 高い建物や車(オープンカー以外)の中に避難しましょう。
- 緊急事態以外、電話の使用は避けましょう。
- お風呂や蛇口、シンクの使用は避けましょう。金属パイプは落雷を招く恐れがあります。
- 車は落雷からある程度守ってくれますが、鉄砲水や竜巻の際には危険な場所となります。
もし、外出中で、安全な建物や車に避難する時間がないときは:
- ひらけた場所や丘の上、海岸等にある高い木の下は避けましょう。
- 河川や海などの水のそばから離れましょう。
- トラクター等金属製農具から離れましょう。
- バイクや自転車、ゴルフカート、スクーター等から離れましょう。ゴルフクラブ等の金属製品を手に持たないようにしましょう。
(3)洪水
洪水は、全ての自然災害の中でも、最も頻繁に起こり、また広範囲に害を及ぼす災害です。洪水には、数日間かけて起こるものと、数分間でも起きる鉄砲水とがあります。
洪水関連用語
- 洪水予報(Flood Forecasts):
- 雨量が激しく、河川が土手を超えて氾濫する、もしくは雨と雪解けが混じり、同様の被害を引き起こす可能性を警告する。
- 洪水警報(Flood Warning or Forecasts of Impending Floods):
- 豪雨の影響を受ける河川、湖、海岸地域の状況、洪水規模、いつ、どこで洪水が始まるか等の警告をする。
- 鉄砲水注意報(Flash Flood Watches):
- (特定の地域に鉄砲水を起こす可能性のある)豪雨が起きる可能性を警告する。鉄砲水は、事前に兆候がなく起き得ることを理解しておく必要があります。咄嗟の行動が必要になる緊急事態に備えましょう。
- 鉄砲水警報(Flash Flood Warnings):
- 特定の地域や河川で鉄砲水が起きている、もしくは起きる直前の状態を警告する。この警報を聞いた時は、即座に高台に避難しましょう。
対処方法
- 地域のラジオ及びテレビに注意しましょう。
- 調理や冷蔵保存を必要としない食料を確保しましょう。飲料水を清潔かつ密閉された容器に貯えましょう。
- 携帯ラジオ、懐中電灯、予備の電池を用意しましょう。応急手当グッズ、ご家族が必要な薬を準備しましょう。
- お住まいの地域の洪水避難ルートと高台を確認しましょう。
- 指示があった場合、水道、ガス等のスイッチを切り、バルブを閉めましょう。電気器具のコンセントをはずしましょう。ただし、手が濡れていたり、足元が水浸しの時には器具に触ることは避けましょう。
- 自動車が洪水地域にはまってしまった場合、車は放置しましょう!車もあなた自身も流される可能性があります。
洪水後の対処
- 家の中に足を踏み入れる前に柱など構造的な破損を確認しましょう。
- 家の中に足を踏み入れる際には懐中電灯を携帯しましょう。
- 電源のスイッチが切れているか確認する前に、電気ショートや、切れた電線に注意しましょう。
- 水のかかった薬品、食料は処分しましょう。
- 濡れた場所で決して電気器具を使用しないようにしましょう。
- 断水や、切れた電線等は警察や消防署等、適当な機関に報告しましょう。
(4)吹雪
吹雪関連用語語
- 冬季気象警報(Winter Weather Advisory):
- 寒気、氷雪等の冬季の気象状況により交通渋滞等の問題や危険な状態が予測されることを指す。
- 吹雪注意報(Winter Storm Watch):
- 通常吹雪が起こる24時間前に公布される。6インチ、もしくはそれ以上の積雪が予想されることを指す。
- 吹雪警報(Winter Storm Warning):
- 通常吹雪が起こる12時間前に公布される。豪雪、みぞれ、雨氷が予想される場合を指す。
- 暴風雪警報(Blizzard Warning):
- 大雪、大風、及び生死にかかわる低温が予想されることを指す。暴風雪は、視界を全く遮り、生死にかかわる冷風等の深刻な気象状況を起こし得る。
対処方法
- 地域のラジオやテレビ、ないしNOAAの気象専門ラジオ放送を聞きましょう。これら報道機関は、常に最新情報を提供しています。
- 携帯用ラジオを常に使用出来る状態で用意しておきましょう。予備の電池も用意しておきましょう。
- 懐中電灯、電池式ランプ及び予備の電池を携帯しましょう。
- ラジエーターには凍結防止液を入れておきましょう。
- 下記の冬季用・凍結防止用品を用意しましょう。
- 懐中電灯
- 牽引用チェーンとロープ
- シャベル
- 砂及び塩(袋入りのもの)
- 手袋、帽子、ブーツ
- フロントガラス用雪かき
- 毛布
- 非常用照明装置
運転中に吹雪に見まわれた場合:
- 高速を降り、落ち着いて車内で待機しましょう。
- 車外に出て歩くのはやめましょう。たとえ建物が近くに見えても、積雪の中を歩くと見ため以上に距離があるものです。
- ハザードランプを点滅させ、窓枠やカーラジオのアンテナに布か非常用の旗を上げましょう。
- もし暖を取る為にエンジンを掛けっぱなしにする場合は、一酸化炭素中毒を防ぐ為にも窓を少し開けて換気を良くしましょう。
- バッテリーを使い切らないように注意しましょう。ラジオ、暖房、ライト等の使用バランスを考慮しましょう。
- 寒さが極めて激しい時は、地図、シートカバー又は、フロアーマット等で暖を取る様にしましょう。上着を毛布代わりに使用しましょう。
(5)熱波
熱波は誰に対しても影響を与えますが、子供やお年寄り、そして体が弱い方には特に大きな影響を及ぼします。例えば、血液の循環が悪い方や、排尿促進剤等を服用されている方、また皮膚に特別な問題を持つ方等は、より影響が深刻なものとなるでしょう。ご自身が服用されている薬の耐熱性に疑問がある方は、医者に相談してみましょう。
対処方法
- 過激な運動は減らすか、止めるか、もしくは気温が下がる時間帯に変えましょう。危険を感じた場合は、屋内に限らず出来るだけ涼しい場所で待機しましょう。
- 夏物の洋服を着用しましょう。軽く、明るい色の洋服は熱と太陽光線を反射する事から、体温を平常に保ってくれます。
- 食べ物に気をつけましょう。たんぱく質など、新陳代謝を増加させ、体内の水分消費を促進する食べ物の摂取は控えましょう。
- 水分を十分にとりましょう。体温を平常に保つには水が必要となります。たとえ喉が渇いていなくても十分な水分を取りましょう。
- お酒は飲まないようにしましょう。
- 医師の指示が無い限り、塩分は取らないようにしましょう。
- 塩分を控える食事療法をとっている方は、塩分摂取量を増やす前に医者に相談しましょう。
- エアコンが効いている場所で出来るだけすごしましょう。エアコンを買う余裕の無い方は、(猛暑の日は)一日数時間でもエアコンの効いた場所で時間を過ごしましょう。
- 太陽の日差しにできるだけ当たらないようにしましょう。日焼けは体内の熱の放散機能を下げる事になります。
熱波関連用語
- 熱波(Heat Wave):
- 極度の高温と高湿度が続いた状態を指し、気象庁が警報を出すべく行動を起こす。
- 体感気温表示(Heat Index):
- 比較的高湿度のとき、私たちが実際の気温よりも高く感じられる体感温度を表示するもの。太陽光線をまともに浴びた時の体感気温は実際の気温よりも15度も高くなり得る。
- 熱痙攣(Heat Cramps):
- 著しい消耗により生じる筋肉痛及び痙攣。通常、腹筋や足に起き、激しい発汗による水分の欠乏が原因と考えられている。
- 熱射病・日射病(Heat Exhaustion):
- 通常、激しい発汗により体の水分が失われがちな暑く湿気のある場所で、激しい運動や作業を行った際に起こる症状。皮膚への血液循環が増す事により、他の重要な器官への血液循環の悪化を来たす。これにより、軽いめまいなどが起き、処置を怠ると状態は悪化し、体温の上昇から心臓発作を起こす事もあり得る。
- 熱発作(Heat Stroke・Sunstroke):
- 体温が上昇、患者の体温調節機能が停止する状態。急いで体温を下げなければ、脳に障害をきたし、死に至る場合もあり得る。
(6)竜巻
トルネードは風速が時速300マイルにもなる破壊力が大きい大規模な竜巻です。竜巻はこまのように回転し、飛行機や電車のような音をさせることもあります。 竜巻警報は、地域のラジオの緊急事態放送で流されます。最新情報と対処方法を提供するラジオに注意しましょう。
竜巻関連用語
- 竜巻注意報(Tornado Watch):
- 隣接した地域で竜巻が起こる可能性を警告する。
- 竜巻警報(Tornado Warning):
- 実際に竜巻が観測、もしくはレーダーが感知した状態を指す。竜巻警報が出された場合は、速やかに避難しましょう。
対処方法
- 屋内にいる場合、地下室の角で頑丈な物の下に身を潜めましょう。地下室 がない場合は、小さい部屋(クローゼットやバスルーム)に、もしくは最下階の中心にある頑丈な家具の下に避難しましょう。窓には近づかないようにしましょう。
- トレーラーハウスやモービルホームにはとどまらないようにしましょう。近くの避難所に避難するか、溝、谷間、窪み等で平らに伏せましょう。
- ビルの中にいる場合、最下階の廊下か、所定の避難場所に移動しましょう。
- 屋外にいる場合、近くの溝に避難し、頭を腕で抱え伏せましょう。
英文のオリジナル「Planning for Emergencies」は、www.westchestergov.com/discemergplan/から入手できます。