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海外安全対策連絡協議会(第24回)

2007年4月27日

安全対策協議会とは
当地の治安やテロ情勢及び邦人の安全対策等について情報交換を行うため設置され、当地日系団体、日系メディア、旅行業界など関係者が参加して、定期的に会合が開催されています。

佐藤首席領事開会挨拶

 冒頭、佐藤首席領事より開会の挨拶がありました。

  1. 雨の中、かつお忙しい中お集まり頂きまして、ありがとうございました。本日は第24回目の会議ということで、後で出てきますけれども海外生活におけるメンタルヘルスということについて当館の医務官である仲本先生のほうからスライドなどを使ってなかなか面白い話が用意されていると思いますので、ご参考にして頂きたいと思います。

  2. この機会をお借りしまして、私事で大変恐縮ですが、去る4月5日に転勤の命令を受けまして、来月5月には香港に転勤することになりました。当地には3年2ヶ月の勤務でしたが、皆さんに色々な形でお世話になり、色々なお話をお互いにさせて頂いて、大変ありがたかったと思いますので、その辺につきまして、ちょっと一言御挨拶をさせて頂ければと思います。

  3. 2004年3月に赴任して来ましたが、その時5月にこの会議に出させて頂いてお話をしたのが昨日の事のように思えます。その時にも申し上げましたが、実は私というのは色々な任地に赴任するたびに大事件が起こっていまして、古くはもう20年くらい前になりますけれど、フィリピンに行った時に、若王子氏誘拐事件というのが起きたり、それからエジプトにいる時にルクソール事件という大きなテロ事件で日本人が10名くらい亡くなったのですが、そういう事件が発生しました。そのような経験がありますもので、3年前にもこの場所で若干不吉な言い方だったのですが、ここに来て私の最大の仕事は危機管理、何か起こった時にきちんと対応できるようにするのが私の仕事ですということを申し上げたかと記憶しております。それから3年2ヶ月、勿論細かい小さな事件は色々あって、当館の領事部の邦人援護担当官が苦労したり、あるいは皆さんも色々な形で色々な事件に遭遇されたのかもしれませんが、幸いなことに9.11テロ事件のような大きな事件が起きることなく、比較的平和なニューヨークであったと思っております。ブッシュ政権の対テロ対策が批判はされていますが、アメリカ国内のテロを防いだということだったのか、その辺はもう少したって歴史家が評価しないと分からないことかもしれません。

  4. ただ、この3年2ヶ月に9.11テロ事件のような事が起こらなかったからといって、我々は危機管理とか緊急事態に対する心構えというものを疎かにしてはいけないと思います。ちょっと迷信じみてしまいますけれど、そうした努力をしているところには起こらなくて努力をしていないと起こってしまうというのが、私が色々な所で経験した傾向だったと思います。したがって事件が起こらない為にも、或いは万が一起こった時に、きちんとある程度の事ができる為にも、緊急事態に対する対策は引き続きこのニューヨーク、総領事館の職員のみならず、皆さんにとって重要なことだと思います。なお、この会議自体がそういう事が非常に大きな目的で、毎回開かれており、皆さんの御協力をよろしくお願い致します。そしてまた努力をしたお陰で平和なニューヨークがずっと続く事を祈りまして、離任の挨拶とさせて頂きます。どうもありがとうございました。

海外生活におけるメンタルヘルス(仲本医務官)

 

当館・仲本医務官より海外におけるメンタルヘルスに関する説明がありました。  詳細については、ここをクリックして下さい。

  1. 海外在留邦人・海外渡航者の状況
  2. 在ニューヨーク総領事館邦人援護案件(2005年)
  3. 企業のリスク管理、安全配慮義務
  4. メンタルヘルスケアを推進する根拠
  5. 仕事のストレスに関連する疾病
  6. 海外派遣労働者の精神的健康と関連性の高い要因
  7. 海外生活、適応の過程
  8. メンタルヘルスケアの進め方
  9. セルフケア
  10. ラインによるケア・定期的チェック項目
  11. 問題があった場合の対応
  12. 夫人のメンタルヘルス上の問題
  13. 事業外資源、心の相談可能な施設、ニューヨーク
  14. まとめ

当地治安情勢・テロ情報

 当館警備担当領事より当地治安情勢・テロ情報に関する説明がありました。

  1. ニューヨークの犯罪件数を東京の犯罪件数と比較すると、ニューヨークにおける殺人・暴行事件は、東京の約5倍、強盗事件は約33倍となっており、拳銃を使用した事件も頻繁に発生しています。

  2. ニューアーク、フィラデルフィアは、ニューヨークに比較して更に治安が悪い状況となっています。

  3. 犯罪に遭う人によっては、犯人側から見て、明らかに隙がある場合があり、自分の身を自分で守る意識に欠けている場合がありますので、安全対策を官憲に任せることなく、普段より防犯意識を持って生活することが需要です。

  4. テロについては、9.11テロ事件以降もテロリストと思われる者の動きが散見され、ニューヨークは米国の他の地域に比べ、テロ事件発生のポテンシャルが高いと言えます。国土安全省が発表しているテロの脅威レベルで言うと、他の地域が、イエロー(高まっている。5段階の上から3番目)であるのに対し、ニューヨーク市は、オレンジ(高い。5段階の上から2番目)となっています。

  5. 防テロ対策としては、テロ関連情報に敏感となり、テロの脅威が高まった際には、テロの標的となる建造物に近づいたり、人の集まるところにむやみに近づかないよう注意することがあげられます。テロの標的となる建造物としては、ニューヨーク市警察のテロ対策部隊が頻繁に巡回しているところがあげられます。

  6. 当館警備班では、現在企業訪問を行っており、個別具体的な防犯対策につき相談に乗っていますで、希望の企業があれば、ご連絡下さい。

民間ボランティアによる防犯対策

 

「NY・NJアジア系アメリカ人司法諮問委員会」の樋口理事より、民間ボランティアによる防犯対策に関する説明がありました。

  1. 私は、現在、NY・NJアジア系アメリカ人司法諮問委員会の理事として、ボランティアで防犯活動に携わっています。この活動に参加して半年になりますが、この半年で自分の防犯に対するメンタリティーが大きく変わりました。

  2. この団体は、韓国人及び韓国系アメリカ人を中心となっており、会員数は380名です。2003年にニュージャージー州において非営利団体として登録され、2007年には、その活動がニューヨークに広がり、現在に至っています。会員は中堅ビジネスオーナー等、社会的に影響力のある人々が集まっています。

  3. この団体の活動内容は、?@民間人と治安関連団体との相互理解のための交流会、?A治安関連団体によるアジア人のリクルートへの協力、?B地域社会でのセミナー等による防犯協力、?C治安関連団体奨学金プログラム、?D地域社会と治安関連団体との交流、等となっています。

  4. 今後も、より安全な地域社会を築き上げるために、アジア人として、様々な企画を計画し、実行していきたいと考えていますが、総領事館の担当官とも相談した結果、民間の防犯組織の立ち上げが有用だと考えています。実際、総領事館等政府関係機関と民間の間にはギャップがあると言わざるを得ず、例えば、総領事館がホームページで発信している防犯情報がどこまで浸透しているのかという疑問もあります。そのような情報を民間防犯組織の立場から皆さんに更に浸透させ、多くの人に広げていければと考えています。

  5. この民間防犯組織の活動としては、?@メディアを通しての防犯、?A日本人学校及び補習校への安全・防犯セミナー、?B会社組織を通じた安全対策、?C語学学校での安全講習会(留学生の安全対策教育)、?D旅行会社、旅行者の安全対策のマニュアル化・浸透、?Eインターネットホームページによる防犯、等を考えています。

  6. ただし、このような民間防犯組織の活動は、私ひとりではできないので、有志の皆さんのご協力をお願いできればと考えています。
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