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第1回邦人医療支援ネットワーク:ジャムズネット会議議事録

日時:2006年1月12日(木)午後16時00分~18時30分
場所:総領事館19階会議室
参加者:34名
会議進行: 仲本医務官

主テーマ:「各グループの紹介」

1月12日、ニューヨーク近郊の日系の邦人医療支援団体・個人の17グループが出席し、相互連絡と協力体制の強化を目的として、米国日本人医師会の呼びかけで邦人医療支援ネットワーク(JAMS Net)の会が開催された。

開会挨拶 佐藤首席領事

本間先生より提案頂いた会の開催を全面的に支援致します。領事館は6万人いるといわれる日本人コミュニティーがニューヨークで安心して生活をしていいけるように支援するところです。日本人コミュニティーの3大関心事項は安全、教育、医療といわれています。日頃から支援して頂いているグループには大変感謝をしています。この会はさらに進んで、支援しているグループの皆さんがお互いに意見交換、情報交換をする会として有益な会となります。ニューヨークはテロを経験した町であり、領事館においては、事件があった場合を想定し危機管理の基本に基づいて、訓練をしたり、緊急連絡網を立ち上げたりしている。しかし、テロや大規模災害時は一般人が心身ともに被害を受ける事が出てくる、取り分け医療の部分では総領事館では皆さんの支援が必要となる事は必須です。会では危機管理の場面で皆さんがどのような支援を日本人に出来るのか、領事館とどのような協力体制をとることが出来るのかと言う事に付いても
協議いただければありがたいと思っています。これからも、総領事館では会が有益なものとなりますように本間先生と皆さんと一緒に協力していきますのでよろしくお願いいたします。

会の趣旨説明 米国日本人医師会会長コロンビア大学 本間俊一教授

参加者に感謝、領事館に感謝。NYには日系の支援団体が多くあるが団体の間でのコミュニケーションがない。多くの団体が定期的に集まって意見を交換する事で、協力しあう事でエネルギーを無駄にしないで、効率的に日本人社会のために貢献できるのではないか、このような話を仲本医務官にしたところ領事館にサポートをいただき、この会を実現させることが出来た。今日は各団体、グループの紹介をしていただく。今後米国日本人医師会や領事館のホームページにこの団体を紹介出来る体制を作り、ニューヨークのコミュニティーに知ってもらいたい。将来は今後3ヶ月に1回ぐらいの割合で領事館において会を開催し、情報交換、団体やグループの問題、又大きなテーマとして老人問題、女性問題このようなテーマを皆と領事館の方たちと一緒になって取り組み、日本人会に貢献出来るような体制を作っていきたいと思う。ニューヨークだけでなく、アメリカ中、世界中にもネットワークが作れるのではないか。そういうネットワークを作る事が出来ればすばらしい事と思う。

領事館の参加メンバーを紹介

各グループの活動紹介(アルファベット順)

  1. 「アピチャ」  福田由美子さん
    サービス関係の統括をしている。1982に設立したNPO団体。日系人の4人の女性によって始まった。現在スタッフ30人、パートタイム40名、ボランティアのピアの方の協力がある。対象は日系人、アジア系全般。プライマリーケアー・メディカルクリニック、HIVテスト、STD スクリーニング、ケースマネージメント、予防教育全般。日本人の方は毎月15人程度で、先月までで検査をされた日本人100人HIVテストをされている。6割男性4割女性。日本人は他のアジア人に比べると、ビザがある方が多くHI、ビジネス関係、学生が多い。NY市ではHIVの感染者は減っているにもかかわらず、アジア人コミュニティーでは少しずつ増えている。その意味でもHIVのテストを受けるよう、啓蒙活動に力を入れている。
    仲本医務官:
     アピチャは、他の病気もそうかもしれませんがHIVはスティグマが強く検査を受けてもらう所まで持っていくのが難しい。大変難しい仕事をしている、そして活動に対してはアメリカの中でも評価を頂いていると聞いています。

  2. 「Heart to Heart」  篠原みちるさん
    日本から心臓移植を受けるためにニューヨークに来られた家族の方のサポートをしている。医療面ではなく、生活面を中心にニューヨークの生活情報を提供している。ニューヨークに半年それ以上の治療のため生活する事になるための不安とストレスを和らげるように、銀行口座の開設の手伝い、アパート・電話契約、子供の学校教育の情報提供、コロンビア大学のインターナショナル科と協力し患者に病院の情報提供などなど。メンタル面のサポートは特に難しく、患者家族がそれぞれ抱えている問題が違うので、その都度コミュニケーションを深めていきながら、各家族に対応した支援、交流を心がけている。ホームパーティで友達関係を築き、孤独にならないように配慮している。最近はじめたファンド活動ではニューヨークでの生活費用の助けになればと数回行なった。2005年12月に3日間、東京で初めて行なったファンド活動には280人の参加があった。松井秀樹氏からも色紙など頂いてサイレントオークションで募金をお願いした、また手作り石鹸販売をして一部を寄付できた。今後は日本をベースに、信頼度を上げるためにもスタッフのためにも非営利団体として登録し、ニューヨークと日本で活動をしていきたい。
    仲本医務官:
     まったくの素人の皆さんが始められたという事で、ご苦労をされた事と思います。

  3. 「日米カウンセリングセンター」  松木史さん
    アメリカの社会福祉事務所で100年以上の歴史がある移民の人を対象にして種々の活動をしています。その中のひとつのプログラムとして活動している。このハミルトン・マジソン・ハウスの中にいることは資金面で大変助かっている。日本とNYで1983 年からファンドレイズをしているがびびたるものだ。ハミルトン・マジソン・ハウスのような支援団体がなければ生き延びてこれなかったと思う。私達のプログラムを組み入れてくれたアメリカ社会の一つである福祉事務所に感謝しています。日本人の精神面の悩みを取り扱ってきて、大人が主であったが、現在子供のカウンセリングも出来る体制になっている。現在65、70名の患者を診療している。ここの特徴はカウンセリングと共に薬が必要な患者には精神科の医師から処方を受けられることです。医師は日本人ではないが英語でコミュニケーションをしている。NYU、コロンビア大学のソーシャルワークの大学院の学生の実習の場として、トレーニングもしている。料金は相談者の年収と家族の構成によってきまる。各種保険、メディケア、メディケイドを受け付ける。経済的に困っている人には無料で治療をすることもあります。交通費も払えない患者を2~3人抱えています。
    仲本医務官:
     このセンターは20年以上の実績があり特に9.11以後は総領事館がお世話になった。ありがとうございます。

  4. 「日米ソーシャルサービス」  鳥巣千明さん
    1981年に高齢者を対象に設立された非営利団体。現在は生活ホットライン、カウンセリングも提供している。昨年は閉鎖の危機にあったが現在、H&Mのシニアセンターのほうで事務所を貸していただく事が決まり無事に活動が継続できるようになった事をお知らせいたします。活動内容は、高齢者プログラムの月齢イベント、20~30人のお年寄りに参加いただいている、又イベントに参加できないお年寄りには話し相手をするボランティアの訪問などを行なっている。フリーチケット配布、重要な活動でペーパー・アシスタントというパブリックヘルスの規則の説明、解説(目、フードスタンプ)一人ひとりのケースを世話する。生活ホットラインは主に電話で、相談者にあった機関を紹介する。文化の違いから起こる問題のカウンセリングを行なっている。今後の活動は危機を乗り越えるためにも今までの活動を維持していく。
    仲本医務官:
     邦人支援グループの老舗として、続けて行ってくれる事はありがたい。

  5. 「Community of Japanese Creative Arts Therapists」 小林利子さん
    CATでキャッツと呼んでいます。ニューヨーク州で今年1月からアートセラピストに州立のライセンスを出す事になった。ライセンス制度になる事は、言葉だけではないアートの手法を用いたセラピーも医療の組織の中に保険などを使って組み込まれていく事で医療費として請求できるようになるという事です。最近アメリカにアートセラピーの勉強に来ている日本人が大勢いる。この人たちとの横のつながりと私達の技術をどのように日本人に還元するかという事を模索しながら活動をしています。大きな動きとして、今年10月東京でアートセラピーの学会がありこのグループと帰国したメンバーがお手伝いをします。活動はワークショップを開いてアートのみならずドラマ、ミュージック色々分野の勉強会をして、お互いを知る事で幅を広げる、またこのような会に参加を通じて、言葉でのカウンセリングの前にアートセラピーに興味を持ってやって見たいという子供やお年寄りにも普及させていきたい。折り紙でのアートセラピーをしています。お役に立てることがあれば光栄です。
    仲本医務官:
     小林さんは折り紙界では世界的な権威と聞いています。これからもよろしくお願いします。

  6. 「Japan Education Center」  バーンズ静子さん
    本当の名前はニューヨーク日本人教育審議会教育文化交流センター教育相談室。教育審議会が経営母体です。子供を仕事の都合でこちらにつれてきてうまく学校に適応できない、子育て発達において悩みがある親御さんたちが、助けをもとめた。昔は領事館に助けを求めたが栄養士を紹介されたという話があったという話も聞いた。日本人の就学年齢の子供が5千人いる。その子供と家族のサービスのために1993年に日本人学校のキャンパスの中に設立された。日本でも特別支援教育という軽度の発達障害の子供に向けて学校に中で教育サービスを行なう事が法令化されました。全体の子供の5~10%、1割近いお子さんは何らかの障害を抱えていながらも軽度であるがために怠けているとか、一生懸命でない、英語がわからないから、日本語の子だから、わからないと思われて障害が見過ごされてしまう事もある。そのような子供を持つ家族になるべく早く支援の手を差し伸べられるようにと活動をしています。対象は子供、子供を含む家族、2歳ごろから高校生まで、家族と一緒に生活をしている子供を対象、大学生、留学生は対象外。電話相談、個人面接、学校からの依頼で学校訪問する事もある。グループで養育グループ、グループセラピー、先生へのコンサルテーションもする。現地校からの依頼も受ける。これからは困ったときにどうしたらいいのか、こういうことを心配する必要があるとわかるよう予防教育に力を入れて生きたい。アメリカでは日本のように定期健診がないため、定期的に医師の診察を受けないことや、アメリカ人の医師とのコミュニケーションがうまく取れない事で発達の問題なども見過ごされている事もあるためワークショップを開いて親への支援を充実していきたい。電話相談は全米、日本からも来ることがある。この会でネットワークを広げていく事で直接面接が出来ないような地域にいる方にも、その地域にあった専門化、サービス機関を紹介できる事があると思うので、この会を立ち上げてくださって感謝しています。
    仲本医務官:
     我々外務省員もそうですが海外で暮らす家族にとって一番大きな問題は子供の教育や発達の問題だと思います。そう言う意味で十年以上に渡ってすばらしい仕事をされてきたことに対して感謝いたします。

  7. 「米国日本人医師会」  本間俊一教授
    1972年に設立。詳しい事はウェブサイトを見てください。目標は日米医学会の交流、地域医療サービスの支援、医師紹介のネットワーク。今までは専門医の紹介などが主であった。もっと、ネットワークを広げた紹介がこれからはこの会を使って出来ればと考えている。奨学金の制度を設けて、年間4万ドルの寄付をしている。日系人のみであったが2年前から日米間の協力体制を良く出来る人であれば誰でもかまわない事にしている。日本の企業・団体に対する医療情報の提供、日本の商社からの問い合わせのコンサルタント、アメリカで勉強する若い日本人医師の支援もしている。地域医療サービスでは医学に関する一般講座、情報提供、妊婦教育はすくすく会を通じて加納医師が行なっている。これからこういう会を通じて講習会を皆で一緒になって協賛できれば良いと考えています。地域サービスを強化するために他の団体の協力、良い団体で、良いアイデアがあればこちらから賛同するシステムも考えている。医師紹介のネットワークでウェブサイトを使っていい医師の紹介が出来るように体制を作りたいと思っている。
    医療関係の仕事はただ専門医だけの仕事ではなくて、ソーシャルワーカーの人達と一緒になり日本人の社会に貢献できるようにしていきたい。
    仲本医務官:
     本間先生はグループに対しても色々なアイデアを持っている。高齢者問題にも興味があり今後の活動に期待していきたい。

  8. 「ネストの会」  松下美知代さん
    「乳がんネットワークの会」からネストに変わった。1994年4人の日本人乳がん患者が乳がんの情報交換、サポートを目的に発足した。私は腎不全のため透析をしていまして、しばらく活動をしていませんでしたが、腎移植により元気になり皆さんに頂いたサポートと愛をお返ししたいと今活動を始めています。まず、私達は癌だと宣告されますと目の前が真っ暗になって「ああもう、死ぬんだ」とどうしたらいいかわからなくなる。私は、今は亡くなられてしまった松本好子さんが「大丈夫よ、私はこんなに元気なの」そう言う声を聞いただけで、私も「ああ大丈夫なのか、直ぐに死なないんだ。」「ちょっと頑張れるのかな」そんな感じに思いました。ネストの会は松本さんが名前を付けました。皆、闘病につかれて「アーもう駄目だ」と思うけれども、ネストの巣の中にいると仲間がいる、皆がいる、お話をすると励まされる、また元気になって巣から飛び出していけるという意味で付けました。活動は年に4回のミーティングで、会員同士の情報交換(手術の状態、治療の経過、再建手術の話)。気軽に勇気を持ってお互いに助け合っています。1月の新年会には18名参加された。日本の癌の専門の先生も参加してくれた。ネストのウェブサイトに西海岸の方から乳がんが初期に状態と思っていたが手術後進行しているのがわかった、新しいがん治療ハーセプチンを受けている人がいたら話を聞きたいと言われ、グループのメンバーに人と話す機会があった。ウェブサイトへの投書もあり電話で対応をした。一人一人の状態にあった治療・生活に対応してサポートをしています。
    マンモグラフィーを何処で受けたらいいのか、乳がんの専門の先生を紹介してほしいという要望に答える為にもこのような会は大変有意義です。

  9. 「NY de Volunteer」  日野紀子さん
    日本人を対称に社会貢献活動の啓蒙・推進を目的に2002年に設立した非営利団体。3年半活動をしている。活動のプログラムは、体験、学び、交流を通して自主的な意思と行動による助け合いが出来る社会を創ろうと活動している。はじめは私が10年前にコーニィーアイランドでボランティアをしたことからこの団体が始まった。現場でボランティアと言うことで社会的な色々な垣根を越えて人が集まって助ける姿にとても感動した。ニューヨークにはコミュニティーがないと言われていて、私も10年間の中で個人レベルで会を開催したりしたが社会的な立場や学生という形でのグループが出来てミックスしなかった。それがボランティアを通じて色々な立場の違ったさまざまのひとが社会貢献という目的のために協力して人の輪が生まれるという事に気づいた。これが新しい形のコミュニティーを作る事ができるのではないかと思い活動を始めた。フルタイムスタッフ1名、ボランティアスタッフ20名で活動に賛同してくれている。日本人950名、英語200名のホームページへの登録がある。ボランティアの種類を広く提供している。スープキッチン、老人ホーム訪問、日本文化紹介、環境問題、の企画をしている。今一番人気はメークアップボランティアといって高齢者施設に訪問してプロのメークアップアーティスト、プロのカメラマンとメイクをする。参加している日本人の方の8割が20~30代の女性が主です。日本の調査から日本人でボランティアをやりたいと思っている人は日本人の成人の8割いる。実際ボランティアをしている人は2割に過ぎない。気持ちがあっても行動に結びついていないのは大きな社会的な損失と考えている。また、今日の会に集まっている方のように一部の人達が社会問題に関心が高い事は問題の解決が遅くなると思っています。私は一人一人の方が関心を持って行動を起こす事が出来るよう支援していきたい。海外でボランティアをするということは日本でするよりもプラス要素が多い。多少英語が下手でもボランティアの現場に行くと非常に感謝をされます。日本人でこの町に新しく生活を始めたばかりの人は今まで日本で当たり前に出来ていた事が言葉の違いのため難しくなり、自分のプライドを失ってしまう事があり、ボランティアを通して、相手に感謝される事で自分の価値を再認識する事があります。また、地元の人とのふれあいでニューヨークの本当の地元の暮らしを知る事ができる。幅の広い、意識の高いボランティア同士の交流がある。これからの活動について、今までは個人ベースで推進していたが、団体に対しての活動をしていきたいと考え日系企業に社会奉仕活動の推進を働きかけている。第一弾として講演をシリーズ化して行う予定である。ニューヨークから日本に対しても新しいやり方について発信をしていこうと考えている。既に行っているものだが、ESLプラス・ボランティアということで英語学校と提携して英語を学びながらボランティアを行うというものである。これは若い学生及び今2007年問題とも言われているがシニアの海外移住のニューヨーク体験も展開する予定である。このプログラムは日本のいくつかの大学と提携しており,学生がニューヨークでこのプログラムに参加すると単位として認められるという形で運営する予定である。この活動は日本人がアメリカの外へ出て行って貢献するということで,YN Oneで取り上げていただいた。これはニューヨークにいる日本人がニューヨークのために貢献できたことをアピールするいい機会であり、大変光栄に思っている。私自身もこのような会合を心待ちにしていた。日系のNPO同士の接点がなく、自分たちのことでアップアップで、助け合いたい、情報交換したいと思いながら、会合をセッティングする時間が取れないという現実がある。今日の会合をありがたいと思っている。いくつかの団体には案内しているが、現在501(c)(3)を持っているNPOを対象にしている。ボランティアのニーズがあるときにはお知らせ願いたい。その情報を流し、規模が大きい場合にはグループボランティアとして企画運営したいと思う。501(c)(3)を持っていない団体でも非営利団体活動は共同企画ができるのでよろしくお願いしたい。*501(c)(3)は、税制控除の資格を得た団体です

  10. 「Sanctuary for Families」  沢田美希子さん
    Sanctuary for Familiesは1985年設立した団体。それ以来、ドメスティックバイオレンスの被害者、その子供達にサービスを提供している。メインのオフィスはマンハッタンにあるが私が働いているのは、ブロンクスのオフィスでいろいろなサービスを提供しているが、主に法律部門とカウンセリング部門に分かれており、カウンセリング部門では個人のカウンセリング、サポートグループ、子供達に対するカウンセリングサービスも行っている。月に1回楽しい催しを企画している。法律部門ではドメスティックバイオレンスに関連する法律のケースを、例えば離婚したい、子供の養育権、保護命令(order of protection)をとりたい、移民関係などお手伝いできると思う。全てサービスは無料である。ブロンクスのオフィスはコミュニティーに根付いたオフィスということで、コミュニティーアウトリーチも活発に行っているが、学校に行ってDV、最近ティーンエイジャーのDVが多いので、若者をDVについて教育するワークショップを開催、病院に行き、医師,看護師の方にDVについて教育するプログラムもある。私が担当しているものに、サロンプロジェクトというのがあり、美容院に行き、美容師にDVを教育し、もしクライアントにDVの関係にいるのではないかと思われる人に、私たちや市が提供しているホットラインの番号を載せたものを渡してもらうという、美容師に橋渡しになってもらうというユニークな活動もやっている。DVは親密な関係の間で起きているだけに、なかなか表ざたにならない。時に医療関係者が発見するケースも多いと思う。したがって、このように医療関係者が協力し合い日本人のコミュニティーにも、このようなサービスがあることを知ってもらいたいと思う。サービスの内容、法律のサービスも行っていることを付け加えて欲しい。

  11.  「NY育児支援すくすく会」  羽田今日子さん
    NYエリアにおける育児支援サポートのボランティアグループ。
    メンバー紹介。羽田、加納医師、領事館の関看護師が主なメンバー。
    日本語で受けられるサービスが限られているので、それを解決しようと思った者たちが集まったのが発足理由。2003年設立。
    エデュケーショナル的なことを日本語でお母さんに説明することが目的である。予算は、日本人医師会から昨年1000ドル出た。今年は加納先生が頑張ってくださり1800ドル出た。これは小さなボランティアグループにしては大きく、今は、関さんを通じて仲本先生もすくすく会に興味をもってくださっており、会にも参加していただいた。お母さんたちの不安は大きくその中で育児をしていくのはプレッシャーがあると思う。私はソーシャルワーカーとして、加納先生は小児科医・内科医として、関さんは助産婦として、特に仲本先生は領事館から特別参加してくださるということで、お母さんたちの安心感が大きくなってきた。感謝の声も多くなり、ボランティアだがやってきてよかったと、これから大きなものにしていきたいと思っている。今後は、サポートグループがウエストチェスターやニュージャージーであるようなので、それらとつながり、ウエストチェスターではすくすく会に吸収してもらい、すくすく会のウエストチェスター支部を作っていきたいとの話もある。NJの方もすくすく会に話をしに来てほしいとの要望もある。このように、マンハッタン、NJ、ウエストチェスターがカバーできたので、今後はロングアイランドまでアウトリーチできたらと思う。

  12. 「ヤング・ブレストキャンサー・ネットワーク」  山本眞基子さん
    去年の夏に立ち上げました。以前は乳がんというのは高齢の方に多い病気であったが、残念な事に日本国でも25人に1人の罹患といわれ、アメリカ在住の日本人の女性においても乳がん患者が年々増加の傾向にあると感じております。私も40代になる前に罹患しました。20歳から49歳の女性は独身で家族が身近にいない、子供がこれからほしい、子育て中などいろいろな問題を抱えながら治療をしている現実がある。海外生活においては医療システムの相違いや言葉の障害などがあり問題が多いと聞きました。年代にまつわる問題を中心にそれらの悩みに答えられるようにヤング・ブレストキャンサー・ネットワーク(BC ネットワーク)を立ち上げました。非営利団体として申請をしている、1月末に認められる予定です。設立の目的はアメリカ在住の日本人社会において、特に20歳代から40歳代で、乳がんに罹ったかもしれないと危惧されている方や最近乳がんと診断された方、治療中、治療後の方達に情報交換出来る機会を提供しサポート出来る非営利団体です。活動内容は3人のメンバーで始めたが親睦サポートの意味でクリスマス・パーティーなどを開催し、又上記のような情報提供とサポートをしていく。私はコロンビア大学病院で乳がんの治療をしていたがアメリカ人の乳がんサポートグループの[Women at risk]の理事を8年間していた。その経験を生かして日本人には日本人しか出来ないサポートがあると思いこの会を立ち上げたしだいです。ネストの会の人も話していましたが、すぐ死ぬわけではないので、会ではやりたいと思っている事を楽しく前向きに取り組んで生きたいと思っています。私は日本から返ってきたばかりですが、仲本医務官の紹介で日本人女性の乳腺外科の医師に会うことが出来た。このような医療関係者を招いてのファンド・レーズィング・パーティーも出来たらと考えています。

  13. 「Yoshiko Matsumotoメディカル・ネットワーク」  磯角有希さん
    この会の正式な名前はヨシコ・マツモト・メディカルネットワークといいます。ネストの紹介にもあった松本好子看護師が1990年にニューヨークにいる日本人看護婦の親睦とアメリカ医療の情報交換のために看護婦の会を設立しました。日本の看護婦の資格を持つ事が共通の接点ですでにアメリカの病院で働いている方、RNの資格を取るために、また語学の勉強に来ている方、ニューヨークの看護大学で勉強して日本に戻る方などが集まって勉強会をしていました。2003年松本さんが亡くなられてから彼女が作ったネットワークや情報を絶やしてはいけないと看護師だけではなくニューヨークで働く医療関係者や医療関係を学んでいる人々に声を掛けYoshiko Matsumotoメディカル・ネットワークを設立しました。この会は日本人で医療関係の仕事、学業についている方であればどなたでも参加できます。年会会費などは招集していません。2ヶ月に1回の会を領事館で開催しています。又Eメールを通してのグループネットワークを行い質問や情報交換をし、会ではアメリカと日本の医療の交換、各分野の知識の向上を目的にした講演会を行なっています。又邦人へ医療通訳の支援を行なったりもしている。この会からは先ほど紹介のあった、Heart to Heartやすくすく会が発足いたしました。現在のグループのメンバーは看護師、ソーシャルワーカー、セラピスト、ヘルス関係の学生、医師、薬剤関係、ボランテア関係者など多岐に渡っています。ニューヨークで活動する邦人・日系人は数多くいるにも関わらず、団体、個人レベルでのネットワーク構築は難しいものがあります。この難しさを乗り越えるために、私達医療関係者の会に多くの方に参加していただき、お互いの切磋琢磨に利用していただきたい。YMネットワークは医療関係の方であればスタッフ、ボランテア、誰でも参加できます。次回の会合は2月24日(金)「風邪の民間療法についての話」を考えています。窪田絵里さんに連絡。

  14. 「ウイリアム・アリソン・ホワイト研究所」  山本雅美さん
    1943年に設立された非営利の組織です。設立者は、人が生きていく上で遭遇するさまざまな困難をどのように支援できるかという問題に取り組んだ精神保健の専門家たちです。まず、精神科医と心理学者の更なる訓練、具体的にはこれらの専門家を精神分析家として養成する機関です。そして、実際の精神分析、心理療法による支援を広く市民に利用してもらえるよう、個人の経済事情に応じて料金を設定し、心理療法、精神分析のサービスを提供するクリニックを持っています。これは予約制の外来施設です。それ以外の活動としましては、虐待、摂食障害、慢性疾患、高齢者、児童・思春期など、特定の対象者や問題別の部門を設けて教育・研究活動、サービスの提供を行っています。
    日本語による心理療法、精神分析サービスは1997年から始まりました。何らかの人生の危機、生活上の難しさの対処、それをきっかけに明らかとなるこころの問題に取り組むお手伝いをします。問題に対する対処能力、予防能力を高めるための自己理解を深め、自分自身についての発見、気づきにもとづき、それぞれの個人がその人にあった建設的な生き方をみつけていく作業を支援します。このような取り組みには時間のかかることが多いですが、このような長期の取り組みを特に得意としています。なお、911の時は電話相談という形で応じたと聞いています。心理療法、精神分析は西洋で生まれた学問であり、それをどのように文化の異なる日本人に適応するかというのは大きな問題です。一方的に西洋の理論を日本人に当てはめるのではなく、両者がうまく統合されることが今の時代には有効と考えられます。私達自身このような文化的な衝突の経験を経て訓練を積んでいますので、このような点には特に敏感に仕事をしていきたいと思っています。このような会はそのための知恵を持ち寄れるよい機会だと思って歓迎しています。

  15. 「Care the World」 ノーラコーリさん 
    ケアーワールドは1988年に設立しました。当時はシンガポールに住んでいました。私の海外での出産をきっかけに、海外で出産し、育児をしている家族のサーポートをしたいと考えるようになった。色々調査をしながら2冊の本を書き上げました。そこからCare the World は広がって行きました。1998年の初めにWed Siteを立ち上げて、現在はそこから海外で出産、子育てをされている方から情報提供して頂くのと共に、日本から海外に渡米される方に医療、教育、生活面の情報提供、サポートをしている。現在約70カ国の情報を集めています。それぞれの情報雑誌を、Webを通じて販売しています。最近の活動としては精神医学、ソーシャルワーカーとしてカウンセリングに力を入れていて、各国にクライエントがいるため対面ではなくE-mailの利点を利用して行なっている。対象としては海外在住の母親が主であるがたまに父親からの相談もあります。問題は鬱、夫婦間問題、家庭内暴力、海外不適応、カルチャーショック、孤立した育児、育児ノイローゼ、マタニティーブルー、アイデンティティ問題、国際結婚、離婚、帰国後の心のケアー、親子問題、障害を持った家族の問題の相談があります。昨年の末に小児科臨床から発行された国際化する「小児保健医療、海外へ来た子、行く子世界の子」という記事を書きました。興味のある方は声を掛けてください。

  16. 「Advisor, DOHM」 坂上恵子さん
    ニューヨーク市の保健精神衛生局にいる。日系のコミュニティーだけではなくオールニューヨーカーを対象として活動としている。日本人ですので日本人コミュニティーに向けて市の保健局からの情報を出来るだけ送っていきたい。情報が必要なときは連絡ください。活動が活発になったらそれぞれに対応していきたい。

  17. 「Japanese ソーシャルワークの会」  木戸晶さん
    ここに出席しているほとんどの方が私達の会に登録をしていただいている、活動は2001年911のテロ事件後このグループは副産物として生まれました。現地で働くソーシャルワーカーの皆さんを一同に集めてさまざまな活動を行なっていました。ソーシャルワーカーだけでなくほかの方も協力してくれ、活動は各月で研究会をしています。そこでは現地で、日本人のクライエントを見ていないで臨床に携わっている日本人のソーシャルワーカーもいるので、その方達にも日本人としてのコミュニティーに貢献できるように、日本人の(カルチャル・コンペテンシー)をシェアーしながらネットワークを図ってきている。最近は学生が増えてきていて、将来、メンタルヘルス・ソーシャルワークの領域でニューヨークに残って仕事をしたい、何かお手伝いしたいという人の協力も得ている。最近はニューヨークの市のメンタルヘルス法が大幅に変わってきており、学生のみならず、臨床家の皆が反応できるように学びながら研究を進めています。ここにいる皆さんの多くが研究会に参加いただいており、さまざまな団体の活動をご紹介いただきながら「どういったケースはどこに送ったらいいのか、」そういうことをネットワーク作っている事も目的としています。臨床家、学生、研究者グループなどサブグループが出来ているのでそちらの活動も充実させたい。これから、ここに現れていない、現地に入っていって活動している人の力を無駄にしないように繋いで行けたらと思っている。

まとめ

仲本医務官:
 本日は顔合わせが目的であった。今後メーリングリストを作り、メールを使っての情報交換をしていきたいと思う。まずこの会の名前について承認を頂きたい。異論がなければこの名前で会を進めて生きたいと思います。(略してジャムズネットJAMS Net)承認いただいたということで、ありがとうございました。次回は4月13日(木)に開催したいと思います。今回は主に顔合わせで皆様のご紹介で終始しましたが、今後はテーマを決めて皆さんで話し合う事をしていきたいと思います。皆さんの団体の紹介を総領事館のホームページを使って紹介させていただきたいと思います。掲載内容に付きましては今後メールで皆様に直接確認したうえで、掲載してもらっては困るような事は載せないようにしたいと思います。他、発言、質問があればお願いします。
本間教授:
 ありがとうございます。次回の会の前にどのようなトピックを話し合うか仲本医務官へメールをしていただいて、応答しながら決めて行きたい。老人問題、女性問題など会の半分の時間をひとつのテーマに絞って対応し、後の半分は各々の団体の問題について、(会の場所がない、運営の資金がない)とか話し合えばよいと思う、小さな問題、大きな問題両方を会議のテーマにすればいいと思います。
仲本医務官:
 医務班がメンバーとして入っていますが、仲本と関で医務班としてこの会に協力出来ること、この会に期待する内容を記載しています。世界の医療情報、日本を含めての医療情報の橋渡しをさせていただきたいと思います。皆様へは引き続き邦人援護をお願いしつつ、テロ、対規模災害事態における連携をお願いしたいと思います。必要に応じて、講演会など在留邦人向けに計画している団体があれば協力させていただきます。ありがとうございました。

 
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