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日時:2007年10月4日(木)16時半〜18時
場所:総領事館19階会議室
参加者: 27名
会議進行: 仲本医務官
会議の概要
- 冒頭、本間医師より以下の挨拶が行われた。
ジャムズネットを設立してから1年半が経過し、ホームページが出来たり、シニアウィークに参加するなど、大分形が整ってきた。日系人会と一緒になりコミュニティに貢献する事が出来るようになってきた。NYのみならず世界中にこのような組織が出来ていくと良いと考える。
- 沼田首席より、会への初参加の挨拶として以下のとおり述べた。
着任して5ヶ月たったが、ジャムズネットの活動については強く印象づけられた。一つは6月のジャパンデイであり、邦人のみならずニューヨーカーに対して熱心に医療アドバイスを行っていた事である。首席領事という職務は本来黒子的な立場であり、皆さんとは直接お会いする機会は少ないが、報告等を通じて活動はよく理解している。もう一つ印象的だったのはシニアウィークであり、大成功だったと聞いている。医務官から詳細な報告は受けており、東京にも報告した。東京に現地の様子を報告するのは非常に意味がある。今後、私の顔を覚えていただき、何かあれば声をかけていただきたい。
- 新規参加団体の紹介が行われた。
「たんぽぽ」の近藤氏より自己紹介が行われた。「たんぽぽ」は10年前にニュージャージー州で始めた月刊誌。非営利団体でボランティアで運営している。当初は夫人のメンタルヘルスをテーマにしていたが、現在はさまざまな内容を掲載している。
次にシージェイキャットのAcosta 郁子氏(NY大学アートセラピー学部長)、個人で参加のKaoru(薫)氏(NY大学Nordoff-Robbins音楽療法センター)、Watanabe Kai氏(同左ボランティア)より初参加の挨拶が行われた。
- 「NY日系人会100周年記念シニアウィーク」への参加について、反省、今後に対する提言が行われた。
NY日系人会野田事務局長:シニアウィークにジャムズネットが参加した事により大成功を収める事が出来た。感謝したい。シニアウィークの目的はシニアへの感謝、世代交流、情報提供、ネットワークの強化であったが、成功したと思っている。集計によれば、シニアウィークへの参加者・登録者は793名、ランチデリバリーは60人、事前登録なく当日突然来られた方、ボランティアの延べ人数を加えれば900人には達している。シニアの方が心配事を抱えていて、相談場所がわからなかったという現実をかいま見る事が出来たので、今後ともこの企画は継続していきたいと考えている。来年以降のシニアウィークにも協力お願いしたい。
続いて参加した団体から以下の感想、反省が述べられた。
小林氏(シージェーキャット):クリエイティブセラピストとして日本人向けに行った初めての経験であった。参加者は少なかったが、皆満足しておられたと感じた。参加しやすくするために今後日系人会で教室を設けていただければありがたい。
森氏(NY教育相談室):メンタルヘルスネットワークから3つのイベントに参加した。介護者向けメンタルヘルスパネル講演会は参加者は少なかったが聴衆の反応はよく、活発な意見交換が行われた。告知の方法がもう少しよければ人が集まったのではないかと考えている。
吾妻医師:敬老会でメンタルヘルス講演会を行った。「うつ」についてテーマを絞って3人の演者からそれぞれ違った視点で語られた点は、よかったと考えている。高齢者110人と参加者が多かったが、皆集中して聞いていた。講演後に質問がなかったのが気になった。事前にアンケート等相互交流の方法を考える必要があると思っている。
工藤氏(JASSI):公的支援についてのワークショップと個人面談を行い、合計で50名以上が参加した。参加者よりとても良かったとの感想が寄せられている。他の参加団体と交流できた事も有益だった。日系人会から定期的にワークショップを開催するオファーをいただいており今後連携を強めていきたい。
本間医師(米国日本人医師会):医師会からは武井医師が救命救急講習会を行った。たいへん評判良かったと聞いている。
桑間医師:他に医師会からは江見先生、木村先生、伊藤先生、カマル・ラマニ医師も講演会に参加してもらった。医師会としてもシニアウィークに参加でき、誇りに思っている。
日野氏(NYdeVolunteer):9月15日イザベラハウスでジャパニーズ・スパデイの催しを行った。メイキャップのみならず日本文化の紹介も行い、75名が参加し、皆に喜ばれた。医療専門家は加わっていないが十分リラックスしてもらった。資生堂(企業)、NPO、個人ボランティアの3機関(50名)が共同で行ったイベントという事で意味があったと感じている。場所が離れていたため他の団体との交流が出来なかったのは残念だった。運営には資金が必要で、今後シニアウィークのためのファンドレイジング活動をしても良いのではないかと考えている。
関氏(すくすく会):子供と踊ろう花笠踊りの企画を行った。世代間交流活動の一つとして企画し、NY花笠会に協力いただいた。3歳の子供から80歳の高齢者まで25名が参加した。年齢を超えた方々が一緒に花笠作り、踊りを行った事が良かったと考えている。反省としては、広報をもっとして、たくさんの子供さんに集まってもらいたかった点である。来年も是非行いたい。
坂上氏(NY市保健精神衛生局):高齢者向け口腔ケア講習会を行った。参加者は9人であったが皆満足されていた。実践の練習と日本語のビデオによる説明も行った。男性の参加者が少なかったので、今後は男性に来てもらえるように考えたい。また介護者のための講習会も行いたい。
藤井氏(マッサージ・アロマテラピスト):アロマ・肩こり講習会を行った。高齢者を対象にしていたが大勢が参加された。資料の字を大きくし、人にしてあげられるマッサージを説明した。米国では浸透していないアロマテラピーについての説明も行い、関心を持ってもらった。
仲本:その他、世代間交流活動もたいへん評判がよかった事が紹介された。また、反省点として、プレスが初日以外に来ていなかったのが気になった。
佐々木氏(ジャーナリスト):最初の告知が非常に大切だとプレスは考えている傾向がある。また、隔週の雑誌もあり、取材がしにくかった面がある。
近藤氏:こうしたイベントは終了後が重要で、中身について知らせていく事が必要で、メディアに働きかけていく事が必要だと考える。
日野氏:来たかったけど来ることができなかった人がたくさんいたはずである。従って、中で説明された事をレポートしてメディアやネットで発表するという方法もあると思う。
仲本:シニアウィークで話された健康関連講演会の内容については当館HP、高齢者協議会のHPにも掲載していく予定である。
本間医師:米国のメディアに発表する事もファンドレイジングの意味合いもあり有効なのではないかと考える。
大島氏:日系人会のボランティア代表として、参加したジャムズネットに対して改めて感謝を申し上げる。今後とも、協力をお願いしたい。
沼田首席:シニアウィークについては継続して行っていく事が必要であると考える。総領事館としても高齢者問題は重要だと考えており、出来る限りの支援を行っていきたい。メディアについては掲載してもらえるように知恵をしぼる事が重要である。ファンドレイジング活動についても、当地の日本人・日系人の人たちにとって貴重であり企業にとってのメリットとなるという事を説明する方法を考えていく必要がある。
近藤氏:コミュニティが一つになっていく事が重要であると考えている。
- 米国日本人医師会(JMSA)の「Community Outreach Program」についての説明が行われた。
加納医師が、JMSAがこのプログラム作成した経緯について説明を以下の通り行った。米国日本人医師会は1971年に始まった団体であるが、ここ数年日系コミュニティに対する医療サービスを行う組織の存在に注目していた。ジャムズネットやシニアウィークへの支援もその一つである。医師会は医師、看護師、歯科医などの医療提供者であるが、患者さんへのトータルなサポートとしてはこうしたNPOが重要であり、医療者サイドから感謝している。こうした団体は組織が小さく、活動資金の不足は喫緊の問題となっていた。こうした状況を鑑み、助成金を通じて支援するプログラム委員会を発足した。2007年度は500ドルから2500ドルの範囲で寄与する予定であり、応募要領に従って申し込んで欲しい。今年は第1回であるが、企業からの支援を受け、拡大していきたいと考えている。締め切りは11月1日である。
桑間医師:今年の11月1日までの応募者から選び、12月に発表を行いたい。その発表の場に、日系企業に来てもらって紹介し、ファンドへの協力をよびかける。将来的には、企業がこのファンドへ参加する事がブランドになるようにしたいと考えている。日本商工会議所の狩野専務にも話をしたところ、商工会としても協力したいとの回答を得ている。錦の御旗が重要であり、総領事館のサポートを得ているという説明はたいへん効果がある。
本間医師:選考委員には仲本医務官、関職員も入っている。選考の対象もジャムズネットのメンバー等質の高いものにしたい。
- 今後の当ネットワークの活動についての討議が行われた。
仲本:来年第2回のジャパンデイは開催する予定でありジャムズネットも参加したい。今日の話を受け、シニアウィークにも協力させていただきたい。さらに年齢を広げたヘルスフェアを日系人会や日本クラブで出来ないか考えている。
野田氏より、20年ほど前に日系人会でヘルスフェアを行った事があるとの発言があった。
- 各グループのお知らせにつき発表が行われた。
11月14日に第2回メンタルヘルスネットワーク会議が開催される事がNY教育相談室の森真佐子氏より発表された。テーマは危機介入という事で、9・11後のような事態でのアウトリーチの方法があるのかと話し合う事を目的としている旨が述べられた。
JASSIの工藤氏より、無料癌検診、肝臓癌ワークショップを企画している事が発表された。
田附領事部長より、邦人に対する100歳表彰を行った旨述べられた。
ジャーナリストの佐々木氏より、今後メンタルヘルス、心のケアケーススタディというテーマで雑誌掲載をする予定であり、協力いただきたいとの発言が行われた。
- 最後に本間医師より、今後とも日本人コミュニティのために協力しあっていく事が我々のゴールであるとの発言が行われた。
次回を3−4ヶ月後に行う事を決定し、閉会とした。
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