

爆弾テロ対策として、平素から心掛けておくべきことは何ですか?
爆弾テロの被害に遭わないためには、平素から、関連情報を収集・評価し、物的・人的措置を講じ、訓練を行い、爆弾が設置されないように、また爆弾が設置されても適切に対応できるようにしておくことが極めて重要です。
情報の収集・評価
所要の爆弾テロ対策を講じるためには、次のような現地の治安情勢、特に爆弾テロに関する情報を正確にフォロー・把握しておく必要があります。
- 日本の在外公館、現地の治安当局、日々の新聞の切り抜き等の情報を通じて、現地における爆弾テロの発生状況、犯行組織、政治背景、手口(手紙、車等を使用するのか)、使用爆弾の特徴(ダイナマイトかプラスチック爆弾か)、攻撃の対象(無差別か特定目標か)、発生時刻・場所等につき承知しておく。
- 収集した情報に基づいて、爆弾テロの直接・間接的な脅威を評価する。この際、現地の情勢に加え、日本国内の情勢や世界の他の地域の情勢がもたらし得る脅威への影響も考慮に入れる。
- 最寄りの警察等に爆発物処理班等があるか前もって調査しておき、緊急時の連絡方法等を確認しておく。また、爆発物発見時の避難場所等についても複数のオプションを用意しておく。
物の面の安全
爆弾テロ防止のためには、事務所・工場等を設置する以前の段階から、次のような考慮を払っておく必要があります。
- 事前調査を十分に行い、テロリスト等の攻撃の対象となるおそれのある施設の近辺には事務所等を設置しない。特に共同使用のビルに事務所を設ける場合には、このようなおそれのある企業等の事務所の近隣はできるだけ避ける。
- 車両に仕かけられた爆弾によるテロを防止するため、利用する出入り口数はできるだけ少なくし、車両通行用と歩行者用を区別しておく。駐車場は可能であれば社員用と外来用を区別し、外来用は事務所建物から離して設置する。また、社員用には監視員を配置する等警備対策を講じる。
- 事務所内に爆弾を設置されないよう人の移動を規制するため、事務所内は来訪者の立入を認める区画と社員のみが立ち入ることができる区画に厳格に区分する。
- 不審人物の出入り規制に当たっては、TVカメラやIDカード読取器等の設置を考慮する。
- 爆発時の被害をできるだけ抑えるため、必要に応じガラス窓には飛散防止テープを貼付するとともに、爆発物飛来防止のための金網又は幅の狭い鉄格子を取り付ける。
- 爆弾テロの脅威があるときには、爆発物の発見を容易にするため、ロビーや事務所等の外周にはできるだけ植え込み等を設置しないことが望ましい。
- 爆弾テロの脅威が極めて高いときには、車両爆弾による攻撃を防止するためのコンクリート・ブロック等の設置を考慮する。
人の面の安全
爆弾を設置させない、また、設置されても早期に発見するため、次のような措置を講じておきます。
- 来訪者及び手荷物のチェックを確実に行う。必要に応じ金属探知機(雷管探知のため)を使用する。
- 社内外の整理整とんを常時徹底するよう心がける。
- 社内外の死角をなくし、監視の届かない所については見回りを頻繁に行う。
- 外塀への爆弾設置、外塀の側での車両爆弾防止のため外回りについても見回りを行う。
- 可能ならば、事務所等に隣接する道路上の駐車は禁止する。
- 社員全員が不審物(放置荷物、手紙、小包等)に対し注意するよう平素からよく教育しておく。
安全訓練
爆破予告があった場合ないし爆発物容疑物件を発見した場合、適切に対応できるよう、次のような準備・予行訓練を十分に行っておくことが重要です。
- 爆破予告(電話・手紙)があった場合ないし爆発物容疑物件を発見した場合の行動基準等を定め、全従業員に周知する。
- 爆破予告電話を受ける可能性のあるすべての社員(特に電話交換手)に対し、爆破予告電話への対応要領を周知し、演習を行う。
- 実際の場合も混乱に陥ることなく速やかに避難できるよう避難訓練を反復実施する。